映画館であまりの結末に呆然とし、ただアングリと口を開けていた記憶も鮮明な、あのデビッド・フィンチャーの不条理体感型サスペンス (評価 76点) 映画にも二通りある。ドキュメンタリーとフィクションだ。フィクションの中でも、とりわけサスペンス、それもミステリアスなサスペンスということになれば、観客は当然、結末見たさにフィクションの世界に没入する。 ところが、その結末にも二通りあって、仰天するほど感心するか、ただ呆然と口をアングリと開けてあきれるかの二つのパターン。 「エイリアン3」を観て、その鋭い映像感覚に早くから瞠目していたデビッド・フィンチャーが自分の予見どおりに「セブン」でブレイクを果たし、…