20世紀の初頭に、シベリアと中国・東北地方の国境地帯の地図を作成した帝政ロシア時代の探検家アルセーニエフ(ユーリー・サローミン)と、その際に彼のガイドを務めた老猟師デルス・ウザーラ(マキシム・ムンズク)。ふたりの終生変わることなかった厚い友情の育みを、広大なシベリアの大地を背景に描いたロシア(当時はソ連)映画超大作。
黒澤明監督にとっては初の海外映画演出となったが、もともと若いときからロシア文学に傾倒していた彼にとって、それはまったく違和感のあることではなかった。また、男同士の友情の美しさを、ここまで素直にストレートに描いた黒澤映画は、他に例がない。エモーショナル豊かなイサク・シュワルツの音楽も忘れ難い余韻を残してくれている。(的田也寸志)
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