ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』に「芝生小史」と名づけられた一節があって、そこにはこんな記述があります。 個人の住宅や公共の建物の入口前に芝生を育てるという発想は、中世後期にフランスやイギリスの貴族の城館で誕生した。そして近代初期に、この習慣は深く根を下ろし、貴族階級の象徴となった。 なるほど、芝生を作ってそれを維持するためには途方もない手間ひまがかかります。しかも芝生はただ「芝生なだけ」であって、花も咲いていなければ野菜も育てておらず、家畜を飼うこともできません(ペットが走り回るくらいはできるでしょうけど)。つまり芝生は、それだけお金と時間に余裕があることを示す「ステータスシンボル」…