伯父のお相手で、晩ごはんの時お酒を飲んで、も少し飲んでみようかと思って、トカトントン、もう気が狂ってしまっているのではなかろうかと思って、これもトカトントン、自殺を考え、トカトントン。 作家に宛てられた一通の手紙。 差出人の青年は何かをしようとしたときにどこからともなく「トカトントン」と聞こえると打ち明ける。 その途端、何もかもが空々しく、ばかばかしく感じられ、何も手につかなくなる。 トカトントン。 金槌で叩くような、どこかかわいらしい響き。 トカトントン。 生きることも、死ぬこともばからしいのなら、生きているとも死んでいるとも言えない。 トカトントン。 そのそうな状態は、なんと名づければいい…