トマス・ピンチョン

原題は「Inherent Vice」（保険用語で「内在する欠陥」という意味） 原作はトーマス・ピンチョンの同名の小説 欠陥だらけのキャラクターと、意味不明なジョークで 笑えるところも、面白いところもあるし 目立たない長回しにタイトなクローズアップ 絶妙な照明のタッチ、お洒落な70年代スタイルというセンスには感心しましたが やたら登場人物が多く、筋も掴みどころもない（笑） ストーリーが全く頭に入らず、続けて2度見ました にもかかわらず記憶に残ったのは ホアキン・フェニックスのもみあげと ジョシュ・ブローリンの髪型だけ（笑） 舞台は1970年のロサンゼルス ゴルディータ・ビーチで私立探偵を営んでい…

原題は＜BLEEDING EDGE＞。辞書によれば「技術などが開発最先端の（テスト段階にある、試作的な、アルファ版の）通例、安全性・実用性などが十分に確認されていないもの」を指すらしい。作中にコンピュータおたく二人が開発した「ディープ・アーチャー」というサイバー・スペースが登場する。いまだライセンス化されていない試作段階のサイバー空間には、それなりの腕を持つハッカーなら誰でも侵入可能で、各々が好き勝手なことをし放題の状態にある。つまり、「ブリーディング・エッジ」は、まだ知られぬ能力を持つハッカーたちの草刈り場にもなるわけだ。 あの、トマス・ピンチョンの最新作である。前作『LAヴァイス』で、サン…

トマス・ピンチョンの傑作小説『重力の虹』です。 さまざまな物語を内包し、重ね合わせて語られる大複合小説として、不動の地位を保ち続けています。僕も大好きな小説です。 第二次世界大戦末期、アメリカ人のタイロン・スロースロップ中尉はイギリス軍に出向している。スロースロップは女好き。ロンドンで遊んでいる。そんな彼がセックスした場所に、二日から十日以内にロケットが落ちてくる。この怪現象にイギリス軍の機関が気付いた。どうやらスロースロップの勃起とロケットの着弾に相関関係があるらしいのだが……。 そういう始まり。 戦争が終わると、スロースロップはドイツに渡る。追いかけてくる連中から逃げながら、なりゆきで「ロ…

彼等をして、故国を離れ、荒波に乗出し、この世の果てまでも行くぞと決意せしめたものは、――此処にいらっしゃる天文関係者の方々には失礼ながら、――天の出来事それ自体ではなく、寧ろ、もっとずっと卑小な、人間の様々な欲求の集まりだったのであり、金星が暗くなるという現象は飽く迄その主たる対象でしかなく、――太陽視差を定めたいという王立協会の意向にしてもそうした欲求の一つだった訳であるが、――ならば観測士本人達の欲望はどうであったか、若しかすると実はそれほど学問的ではなかったかも知れぬ欲望は？ ついに邦訳された『メイスン＆ディクスン』（柴田元幸訳）。訳者あとがきでは「ちょっとした事件である」と触れてあるけ…

◆今日（10／8）の産経1面の緊急世論調査結果の政党支持率を見てげんなりする うろ覚えですが、自民30％、立民15％、維新5％、公明3％、共産2％（以下、もっと低い、れいわ、社民、国民民主、参政等については略）といった感じの支持率ですからね。 裏金疑惑発覚後も「未だに自民を支持する奴が30％もいるのか？」と本当に暗い気持ちになります。三春充希氏の「比例での予想得票」でも一時期（岸田政権時代末期）に比べれば上昇傾向にある（とはいえ俺の願望込みですが、「前回選挙時」に比べれば支持率は低いので、このままの状況を自民が仮に維持できても、減り幅が縮小するだけで議席自体は減るかと思いますが。岸田政権時より…

近年スズメの数が減少し、このペースで減少すれば絶滅危惧種になるかも、などというニュースを読んだ。そのニュースではアバウトなことしか読み取れないのだけれども、Wikipediaで「スズメ」の項をみると、2007年のスズメの日本国内での個体数は、1990年ごろに比べて少なくとも半減、高く見積もると５分の１にまでなったのではないかという。 減少の原因は、近年の気密性の高い人間の住宅がスズメの営巣に向いていないこと、農村部でコンバインを使った農法が普及した結果「落ちもみ」が減少し、スズメの冬季の餌が不足しているのではないか、などの推測があるという。 また、「スズメ」というのは周囲に自分と同族のスズメの…

調べもの、固い、面倒 今週から就業時間が元通りにってことで、先週より30分遅く起床。ツナマヨパン食べて家を出る。気温はそこそこなのだけど、湿度が高いので駅まで歩くと汗が。 ツナマヨパンだけじゃ昼まで持たないのでコンビニでおにぎり買って、つい気の迷いでもちぷよなんぞも買って職場へ。仕事の前に腹ごしらえ。 先週の仕事は片づけたのでどうしようかと話していたら、ちょっと急ぎの調べ物が。まあ、それほど大変じゃないのだけど。 昼は社食でメンチカツと小ぶりなロースカツの相盛り。メンチは普通だけど、ロースカツは肉が薄くて火が通り過ぎていて固いし、ちゃんとカットしてないので食べにくい。もうちょっと厚手の肉で面積…

サブウェイ、パーカー、いわし のんびり起きて、昨夜の鮭が一切れ残っていたので、味噌汁の温めなおしと一緒にご飯を食べる。ちょっと朝から食べ過ぎたかな。早起きした時ならこれぐらいで昼までちょうどいいのだけど。 午後になって徒歩で外出。八王子のサブウェイで軽く食べようと入ったら、四組ぐらいの列が全然進まないし。まあ、ここのシステムだと客一人あたりに時間とられるから仕方ないんだけど。で、BLTに野菜全部多めにしてむしゃむしゃ。普段の昼食だとこれじゃ足りないのだけど、夕食までの時間もそれほどないのでちょうどいい。 サブウェイのBLT、野菜全部多め 食後、L-Breathでパーカーを。春先に買おうと思った…

温玉、タイヤ、焼売 買い置きのランチパック食べて出かける支度を。昨日は暑かったのだけど今日は気温が低い。雨も降りそうだしってことで長い傘を持って家を出る。 普段よりちょっと早めに職場について仕事の段取り考えたり。始業前に仕事するのはまずいけど、考え事だけなら。 仕掛かりの仕事を進めて、ようやく目処が。いくつか確認したりしながらとりあえず一段落。 昼は社食でカレーうどんに温玉載っけて食べる。温玉というには固まりすぎだし、冷たいので今一だな。 午後、別の仕事の続きを。こっちも後少しなんだけど。 仕事の後、Y'sロードでタイヤ受け取って帰途に。20インチだから電車で持ち帰ってもどうってことはない。 …

ぎりぎり、売ってない、買い忘れ アラームを止めた覚えはあるのだけど、そのまま眠ってしまってぎりぎりに起床。ランチパックと肉まん食べて、スープ飲みつつ職場に接続して今日のお仕事。 先週降ってきた仕事に手を付けたのだけど、なかなか進まない。うーん、落としどころをどうしようかなあと、あれこれお思案。さっさと終わらせたいのだけど。 昼は近所のセブンイレブンへ。エリックサウス監修のビリヤニ買おうと思ったら影も形もないし、ほかにはこれと言って食べたいものもなかったのでらーめん熊八に行ったら昨日今日はお休み。がっくりしながら北口に移動して、壱角家で家系ラーメン。 帰りに駅前のセブンイレブン覗いたら、まだ2食…

続き、クリーム、うどん 昨夜のカレーを温め直して朝食。昨夜はちょっとスパイスが物足りなかったのでガラムマサラを追加して食べる。 職場に接続して今日もお仕事。昨日の続きの仕事を進めたり、他の仕事の対応したり。 昼は行きたい店がおもいうかば買ったのでコンビニへ。だけど食べたいものが見当たらなくてスーパーへ。かき揚げそばの他を買って帰って、温めて食べる。 午後、仕事をしながらさっき買ったクリームどら焼きを。これ、クリームをきんきんに冷やしておかないと柔らかすぎるな。 仕事の後、ちょっとビデオを見てから夕食どうしようかなあと。カミさんがうどんがいいと言うので、いつもの肉と野菜のうどんを作ることに。最近…

Zoom読書会 2024.09.28【テキスト】『大久保町は燃えているか』田中哲弥（ハヤカワ文庫JA）【参加人数】出席5名 ＜推薦の理由（参加者A）＞◆推薦理由はシンプルで、すごく好きな作品だから。どう好きかは後ほど（私の順番が回ってきてから）。私のエンタメの原点でもある。◆推薦作を何にするか、今回のテキスト『大久保町は燃えているか』の他、『ブギーポップは笑わない』（上遠野浩平／電撃文庫）、『レフトハンド』（中井拓志／角川ホラー文庫）、『手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ』（藤田祥平／早川書房）まで絞って悩んだ。『ブギーポップは笑わない』はメジャー過ぎる、『レフトハンド』は入手性に難あり、『…

上着、定休日、キーマ 納豆その他で朝食済ませて出かける支度を。今朝も20度切ってて涼しいというよりは肌寒いので長袖シャツに上着も羽織って。 南武線に乗っていたら近くにいたおっさんが具合悪くなったようで急病人看護でしばらく停車。で、ふと気がついたら尻手を出たところだったので川崎まで行って職場へ。 一ヶ月ぐらい前に職場の冷房が効くようになったのだけど、今度はちょっと涼しすぎる。もっとエリアごとに細かく調整できないとだめなんじゃないかな。 ちょっと前に降ってきていた仕事に着手。うーん、面倒臭いなあ。まあ、やらないわけには行かないのだけど。 仕事の後、Y'sロードでタイヤを受け取ろうと店まで行ったら火…

はじめに 想像力の限界を超えた狂気の世界へ、あなたを誘います。ウィリアム・S・バロウズの『裸のランチ』は、20世紀文学の常識を覆し、読者を未知の領域へと導く革新的な作品です。1959年に出版されたこの小説は、その斬新な文体と挑発的な内容で、文学界に衝撃を与えました。 『裸のランチ』は、単なる物語ではありません。それは、人間の意識の深層に潜む欲望と恐怖を露わにし、社会の矛盾と抑圧を鋭く批判する知的挑戦状なのです。本作品は、中毒、性、権力、そして自由といったテーマを通じて、私たちの現実認識を根底から揺るがします。 この記事では、『裸のランチ』の独自性と哲学的意義を探り、バロウズが描く自由と狂気の世…

池澤夏樹の小説って読んだことがなかったけど，この本は面白かった。作家という立場から他の小説を読みほどく。場（世界）があって人物があって，それで小説は〈世界〉を描く，という話。作者の視線（神の立場なのか，登場人物たちと同一の地平にいるのか）とか，描写の仕方とか，得るものが多かった。 世界文学を読みほどく (新潮選書)作者:池澤 夏樹新潮社Amazon はじめに ぼくは文学についてアカデミックな訓練をまったく受けていない。好きなものを勝手に読み、その中から抽出した原理のようなものと自分の体験を素材に、一種の変換操作を施して作品を生み出している創作者である。では、その原理のようなものを語ることはでき…

ボクは5月にアキレス腱を切るというアクシデントを起こしまして今月頭までギブス生活でした。（折り合わなさすぎて、ついに切れた）。今も松葉杖を使っています。転ばぬ先の杖ならぬ、転んだ先の杖です。懲役は座っての作業なので（工場で洗濯バサミの組み立てをやってますが）、支障はありません。ただ動作はいちいち時間がかかります。カツカツ進む行進の足音を乱す不協和音。全体主義システムで成り立つ刑務所では足を引っ張る存在です。 「淘汰、お前先に出ろ！」 「淘汰、一番後ろに並べ！」 「淘汰、お前はそっちから行け！」 「淘汰、お前は転ぶから号令に合わせるな！」 「淘汰！」 「淘汰！」 部屋も一人だけ一階の独房の特別待…