ミステリ作家。1947年アメリカアラバマ州生まれ。「緋色の記憶」で1997年度MWA最優秀長編賞受賞。「夏草の記憶」「夜の記憶」等の記憶シリーズが人気。過去と現在を交錯させながら徐々に事件の真相を明らかにしていく手法をとっており、その文体は情緒的にして重厚。薄皮を剥ぐようなじりじりとした展開は好みの分かれるところだが、「謎」だけでなく「人間の深部、暗部」をもあぶり出して行く精緻なストーリーテラーとしても評価が高い。
はい、こんにちは。 こないだのアルバムランキングに引き続きまして今年読んだ本ランキングです。 今年は90冊ちょっと読みましたが、半分くらいは穂村弘と浦賀和宏で、他の作家のはあんま読んでないので、例年みたいにベスト20じゃなくて、10でいきます。今年はイルミネションも見に行けなかったので車に乗ったら3℃で驚いた時の写真を。 ゆうてる間に今や0ですからね。おそロシア。 ではさっそく10位から発表していきます。ちなみに一言コメントも付けますが、ほとんどはブログに既に上げてる作品なのでそっちも読んでもらえると嬉しいです。 10.アレン・エスケンス『償いの雪が降る』 アレン・エスケンス『償いの雪が降る』…
重いからたま〜にしか読まないクック。 代表作、いわゆる"記憶"シリーズの一冊です。 緋色の記憶 (文春文庫)作者:トマス・H. クック発売日: 1998/03/10メディア: 文庫 1926年。チャタムの村に赴任してきた美しい女性教師と、妻子ある男性教師との関係がやがて引き起こした"チャタム校事件"を、当時少年だった私が振り返る。 前作『夏草の記憶』と同様に、本作でも事件が起きた当時の少年時代の記憶と、それから幾星霜を経た現在の主人公とがカットバック方式で語られていきます。 起こった"事件"の全貌は最後まで見えません。巨大な岩を削って化石を掘り出すように、少しずつ少しずつ事件の様相が見えてきて…
「夏草の記憶」 (著・トマス・H・クック 訳・芦澤 恵 文春文庫) アメリカ南部の田舎町に住んでいる医師のベン。ベンは30年前に起きた事件を思い出します。同級生だった少女のケリーは何故、無残にも人生を断ちきられてしまったのか?そして、町の郊外にある「ブレイクハ-ト・ヒル」という丘には、何故、そのような名前がつけられたのか? 物語は、現在と過去を何度も往復しながら、ゆっくりと謎が解き明かされていきます。主人公の少年の目に映る少女の眩しさ。やがて待ち受ける少年の幻滅・・・ 少年の初恋とその喪失を描いた小説でありながら、ミステリーの色合いも見せます。過去に存在した差別を社会が隠蔽したために、思いがけ…
スティーブが9歳の頃、母と兄、そして姉が銃殺された。犯人と目された父親は逃亡し、未だに行方が分からない。 そして今、自らも父親となり、妻と1人息子とともに暮らすスティーブの元に、ライターのレベッカが現れる。 父はなぜあんなことをしたのか? 彼女とともに過去の事件について探るうち、スティーブは自らの内の、とある感情を意識するようになり......。 死の記憶 (文春文庫)作者:トマス・H. クックメディア: 文庫 1年以上ぶりですがクック先生を。本作は日本でいわゆる『記憶四部作』(あるいは五部作)とされる作品群の1作目に当たります。 原題はそれぞれまったくバラバラなものの、「主人公の一人称で過去…
はい。今週もやってまいりました10選シリーズ。 今回のお題は青春ミステリです。 先週が恋愛ミステリだったのでやや被りそうになりつつ、恋愛だけではない青春の煌めきと苦悩、あるいは、青春時代だからこその切ない純愛......というところの差別化を意識してのセレクトに一応してあるつもりです。とにかくエモい作品ばっかなのでみんな読んでね! 1.浦賀和宏『透明人間』 幼い頃に見た透明人間。雪密室での父親の不審死。そして10年後、自宅の地下にある亡き父の研究室を訪れたかつての同僚たちは次々と殺され、理美は恋人の飯島と共に地下に閉じ込められてしまう。 青春ミステリの金字塔、安藤直樹シリーズより。本当は最初の…
こんばんわ。 恒例になりました10選シリーズ、今週は恋愛ミステリ編にてお届けいたします。恋こそ、人生最大のミステリ。 というわけで、なるべく恋愛要素がキャラ付け程度に留まらない、ミステリ要素がなくなっても恋愛モノとして読めるような作品を選ぶようにしました。 ミステリファンにも、恋愛コンプレックスクソ野郎にも勧める恋愛ミステリ10選、ぜひぜひ手に取っていただけると嬉しいっす。 ではでは。 1.牧薩次『完全恋愛』 終戦直後から昭和の終わる頃までを生き抜いた画家。その人生に起きた3つの事件と、1つの恋。「他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?」まずはベタにこちらを。 3つの時代の…