主として食用油の生成過程で形成、含有される物質。trans fat。
生産時の水素添加や調理の過程で油脂に高い熱を加えた場合などに発生する。
一部でトランス脂肪酸の化学的構造はプラスチックに似ていると伝えられているが、可塑性を示すプラスチックという語から生じた誤解と思われる。一般にプラスチックと呼ばれる合成樹脂とトランス脂肪酸は大きく異なる。
英語の文献ではプラスチック油脂やプラスチックマーガリンという語句がありますが、プラスチックでできている油脂やマーガリンではありません。プラスチックは英語で可塑性という意味になります。可塑性はマーガリンには必要な要素で、力を加えるとその形のまま姿を保つ性質(粘土の様な物性)のことです。可塑性はマーガリンを塗りやすくしたり使いやすくするのに重要な性質です。プラスチック油脂とは可塑性のある油(マーガリン)という意味になります。
http://www.seikatsuclub.coop/faq/ctg03/10.html
トランス脂肪酸は油脂類に最も多く含まれる。製造工程の関係*1で、マーガリン、ショートニングにより多く含有されている。
また、植物性油脂(いわゆるサラダ油)を加工し、なんらかの機能を持たせた商品*2の製造過程での生成や、加工食品を焼いたり、揚げたりする過程で生成されることもある。
主に、マーガリン、ショートニング、バター、クッキー、スナック菓子(油で揚げたもの) などに含まれる
牛肉や乳製品に含まれる天然のトランス脂肪酸は製品による含有量の差が小さく、加工食品に含まれているトランス脂肪酸*3の含有量は製品によって大きな差がある。
カナダ、デンマークでは混入「禁止」、アメリカは2006年1月より「禁止」、ドイツ、オーストリア、オランダでは混入の「表示義務」といった対策がとられるなどし、日本でも検討されている。例えばマーガリンにおいては一般的な製品のほとんどに含有されている*4。
日本の行政や業界団体、消費者団体は、食生活の習慣が欧米と異なる日本では「普通の食生活においてトランス酸(ママ)の摂取過剰によるリスクを心配する必要は全くない(日本マーガリン工業界)」とのスタンスをとっている。また、外食産業では表示義務がないため表示されない。
トランス脂肪酸は食品中に単独で存在する訳ではない為、摂取量を減らす為には脂肪酸全体の摂取量を抑える必要が有り、その意味では優先順位の低い問題として厳しい法規制を疑問視する声もある。
トランス脂肪酸に他の脂肪酸と比べて大きなリスクが有ったとしても、脂肪酸の摂取量に占める割合が低い為影響は小さなものとなる。その為健康に悪影響が出る可能性は低い。脂肪酸全体の摂取量を抑えることでトランス脂肪酸も避けられるのであれば、むしろ脂肪酸全体の過剰摂取によるリスクを避ける意味の方が大きくなる。
脂肪酸のコントロールが健康に寄与するという点では意見の相違は見られない。