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トリウム原子炉

(サイエンス)
とりうむげんしろ

トリウム原子炉は、次世代原子炉として考えられているもののひとつ。正式には「トリウム溶融塩炉」という。
最も実現可能性が高く、主流になると多くのエネルギーの専門家が考えている。
トリウムは鉛より重い銀白色の重金属で、地殻中にはウランの4倍ほどがあると考えられており、半減期は約140億年、わずかな放射性を持っているが、核分裂はほとんど起こさない金属である。
トリウムは中性子を吸収すると核分裂を引き起こすウラン233に変わることを用いた原子炉である。

概要

トリウム原子炉の構造は現在の原子炉とは大きく異なり、核分裂はウラン233フッ化物を溶かし込んだ溶融塩の液状の炉心で起こる。
このとき、核分裂によって放出される中性子が、周りを取り囲むブランケット中のトリウムの原子核に吸収されると、トリウムがウラン233に代わる。ブランケットから科学的に除去されたウラン233は新たな燃料として炉心に送られる。炉心からは核分裂生成物も除去される。
このろでは、すべてが一つの流れとして進行するため、炉を停止しる必要がなく、初めにトリウム232を装填すれば、炉自身が燃料を作り出し、そこで生み出された熱が熱交換器と蒸気タービンを介して発電機を動かす。
トリウム原子炉は大気圧の中で運転するため、現在の軽水炉のような特別な構造を必要とせず、冷却材に圧力がかかっていないため、頑丈な圧力容器も、巨大なコンクリートの格納容器も必要としない。このため、建設費は下がり、原子炉は小さく、工場で大量生産することも可能となる。さらに、内部圧力が低いことから、大気中への放射性物質放出に関する安全基準も緩やかにすることが可能となる。
この炉で燃料輸送と冷却に用いられる溶融塩は1,000℃もの温度領域で液体であり、炉心の過熱状態やメルトダウンは存在しないとされている。また、高温で運転されるため、余熱を海水淡水化や農業用アンモニア生産、合成燃料の製造に利用することもできる。
トリウム原子炉は熱効率が非常に高く、イタリアの物理学者であるカルロ・ルビアは、1tのトリウム燃料でウラン燃料200t、石炭350万t分のエネルギーを生み出すことができ、放射性廃棄物も、はるかに少なくすることができるとしている。
現在、2基の実験用原子炉を計画している中国の研究者は、トリウム原子炉から出る放射性廃棄物はウラン原子炉からのそれと比べて、1000分の1になるだろうと述べている。

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