Panavia Tornade。独・英・伊の三国がMRCA(Multi Roll Combat Aircraft)計画の下に開発した複座の戦術機で、初飛行は1974年。オリジナルは地上支援・阻止攻撃用途のIDSタイプ。後の発展型として電子偵察・戦闘用途のECRタイプ、防空戦闘用途のADVタイプが開発された。固定武装はボーイング・マウザー27mm機関砲。STOL性を重視したため戦術機としては例の少ないスラスト・リバーサ(逆噴射装置)を有している。
外見の特徴はVG(variable geometry=可変)翼と大型の垂直尾翼。VG翼によりあらゆる速度域において良好な性能を獲得しており、主翼下パイロンも後退角に応じて取り付け角が変化する。
イギリス(IDS/ADV)、ドイツ(IDS/ECR)、イタリア(IDS/ECR/ADV[イギリスからリース])、サウジアラビア(IDS/ADV)
湾岸戦争ではIDSタイプがイラク軍の飛行場攻撃の任にあたったが、低空侵攻が災いし対空砲火により7機を損失。これは多国籍軍の戦術機ではワースト記録となっている。イギリスとサウジアラビアからADVタイプも派遣されている。