トーマス・ベルンハルト『新装版 消去』みすず書房 (2016) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 20世紀のショーペンハウアー、文学界のグレン・グールドと書かれていたので気になって読んでみたものの、この小説ばかりは少々退屈なものであった。 そして改行が一切なく、500ページ弱延々とつづく。 始終、主人公は家族や社会に対して否定的で虚無的な思想を抱いている。 共感できる部分はあったが、あまりにも最後まで虚無的であったので、ただただ絶望しきっている様子しか伝わらなかった。延々とつづく愚痴を聞いているイメージである。 ユーモアが僅かにただよっている…