2024年6月7日の金曜日、仕事前に健康診断に行った夫は夜帰宅した。大したことはないだろうと、さほど心配もせずにどうだった?と訊くと、夫は「それがね、変な黒子があるようで、これは怪しいのですぐに皮膚科に行くように言われたよ。メラノーマかもしれないって。血種かもしれないが確認してもらえって。」 それを聞いて、私は血の気が引いた。これこそ、私がその日のその夜まで忘れていた黒子だったのだ。ハンブルクで見た、あの不気味な黒い塊。内科の先生は、写真を撮って夫に見せたそうで、それを見た夫はかなりショックを受けたようだ。私の心に、あの1センチもあろうかと思われる黒子が甦ってくる。こげ茶色をしており、赤毛でそ…