【deutsche Mystik】 中世後期から近世にかけて、一連の系譜をなすドイツ人神秘家たちによって担われたキリスト教神秘主義の歴史的形態。中世末〜近世ドイツのキリスト教神秘主義の系譜。エックハルト、ゾイゼ、タウラーを代表とし、三者以前のビンゲンのヒルデガルトやマクデブルクのメヒティルト、三者以後の〈共同生活兄弟団〉やニコラウス・クサヌス,ベーメらを含める場合もある。
前編においてすでにエックハルトの説話は完結しているようにみえるが、続きがある。 bachundbruckner.hatenablog.com 以下、ひとつひとつが少し長くなるが、いずれも極めて重要な、ひと続きの意味を形成する箇所であるので抜粋しつつも断片的にならぬよう引用する。 人は、神が働くことのできる場でもなく、またそのようなどんな場をも持たないほど貧しくなければならない(・・・)。人がなお自分の内に場を保持しているかぎり、人はなお区別性を保持していることになる。(・・・)神のかの有の内に、つまり、神がすべての有を超え、すべての区別を超えているところ、そこにわたし自身はあったのであり、そこ…
中世の神学者でありドイツ神秘主義の源流とも目されるエックハルト(1260-1328?)の有名な説話《三つの内なる貧しさ》をみていきたい。テーマはこの聖句である。 "Beati pauperes spiritu, quoniam ipsorum est regnum caelorum."(羅) + + + "Happy are those who know they are spiritually poor; the Kingdom of heaven belongs to them!"(英) エックハルトはこの有名な聖句(マタイ5-3)について次のとおり宣言し、説話を開始する。 何も意志せず、…
『エデンの神々』 陰謀論を超えた神話・歴史のダークサイド ウィリアム・ブラムリー 明窓出版 H22/8/20 <古代宇宙飛行士(すなわちカストディアンの種族)が、どの大陸のどこでも同じやり方で人類社会を支配することは確実だ> <神(地球を管理するカストディアン)> <岩石の宇宙> <アーリア系優秀民族の出現を説くドイツ神秘主義> ・ヒトラーは生涯にわたって強力な麻薬を使い続けた。 ・ヒトラーによると入院中に“別の世界”からの“幻視”を体験した。 ・トゥーレ協会は“アーリア系優秀民族”説を信じていて、ドイツ版“メシア”の降臨を説いた。 ・もう一つの結社は“ヴリル協会”である。この会員は、イギリス…
『試行錯誤に漂う』がなんとなく気になって本棚から出して、開くと134ページで、「16 そこにある小説」というタイトルの回の冒頭、この箇所。「目の前にある山を見て、言葉はわずかなことしか語らず、語りきれないものが山の向こうにある何かであると人は感じるのだがそれが山だ」この箇所はよく覚えている。これが単行本になる前、何かで「試行錯誤に漂う」という題で保坂和志が『みすず』に批評文の連載をしている、と知り、たぶんそれは2013年だ。私はぜひ読んでみたくなり、『みすず』は本屋では見ないし、バックナンバーも見たい、と思い当時住んでいた小金井の図書館に足を踏み入れた。そこで見つけた『みすず』という文芸誌をは…
ようこそ、みなさん。 先ほどの記事の続きを翻訳してご紹介させていただこうと思います。 その1はコチラ kazzhirock.hatenablog.jp 早速どうぞ。 Glenn Magee (2001) ヘーゲルとヘルメティックな伝統 Published: Cornell University Press, 2001. 2. ヘーゲルとヘルメティックな伝統に関する奨学金 これらの主張がヘーゲルの死の後の数十年に特に論争の的になっていなかったであろうことに注意することは重要である。1840年代には、シェリングは公にヤーコプ・ベーメから彼の哲学の多くを単に借りたことのヘーゲルを非難した。ヘーゲルの…
ようこそ、みなさん。 とても興味深い海外記事を見つけました。 現代社会の根底を成していると言っても過言ではない「弁証法」と、その生みの親「ヘーゲル」 その「ヘーゲル」がどのような人物であり、彼のルーツがどのようなものであったのかに関する考察です。 非常に大まかにではありますが、これで全体像(現在の世界の混乱の原因)が朧げに見えてくるかと思います。 この世界は入り口が無数にある巨大な迷路のようなものです。 最後の最後。 迷路をさ迷い歩き、様々なものに出会って自分を創りながら、あと一歩で次の場所へ行けるかどうかの手前の瞬間。 道が二つに別れています。 片方は「二元論」へ。 もう片方は「大いなる統合…
主義 社会主義資本主義構成主義 出典:フリー百科事典 『ウィキペディア(Wikipedia)』 主義(しゅぎ)は、人、体やっ政府団が主張やっ行動の指針にすてる原則やっ思想であています。 概要 「主義」は中国の史記にも出現するほど古い言葉であり、「信じている一定の主張」を意味した。明治前期に英語「principle」の訳語として定着し、その後英語「-ism」の訳語としても使われるようになった。「原理」を「主義」と訳したのは福地源一郎(福地桜痴)だとする説もある。 主義の一覧 ここには「主義」で終わる言葉や、「イズム(-ism)」で終わり「主義」と訳しうる言葉を集めた。 目次: あ い う え お…
5巻は「中世3 バロックの哲学」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史3』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史4』 - logical cypher scape2 シリーズが始まった頃は、勝手に、古代、中世、近代、現代が2冊ずつだと思い込んでいたので、中世3の表記に最初驚いてしまった。 実際は、古代…
トマス・アクィナス人類の知的遺産20 稲垣良典『トマス・アクィナス』(人類の知的遺産20)、講談社、1979年 剳記一覧 :: 南山剳記 【服部 洋介・撰】 解題 本朝におけるトマス・アクィナス(1225頃~1274、スコラ哲学者)研究の第一人者・稲垣良典博士(1928~)のトマス研究書。稲垣博士には『トマス・アクィナス』(思想学説全書、勁草書房、1979年)と題する同名の書物もあるから、その点はいささか注意を要する。内容的にほとんど本書と変わらないけれど、念のため。 トマスというと、カトリックのドグマをつくりあげた神学者として、こんにちの日本では、ほとんどまともに論じられる機会のない「過去の…