ローマ教皇領。 8世紀にフランク王ピピンの寄進によって成立し、以後1000年以上に渡りイタリア半島の中心部を支配する史上唯一の「教会国家」であり続けた。 しかし、時は19世紀。先のナポレオン戦争時代に一度消滅しながらもウィーン会議によって復活するが、もはやその権威は地に堕ちきっていた。 史実においてはやがて来るイタリア統一運動のさ中の1870年に、その長い生涯を終えることに。この国もまた、近代化の荒波の中で消えた悲しき国家の1つであったのだ。 では、その運命に抗ってみせよう。 確かに、当時の教皇ピウス9世のように、近代化の流れにただ愚直に背を向け、保守的になるだけでは、同じ運命が到達してしまう…