20日間ほどをかけて、ようやくカート・ヴォネガット・ジュニアの第6長編にして代表作の一つ、『スローターハウス5』(伊藤典夫訳、ハヤカワ文庫)を読み終えました。 作者のドイツ方面での第二次世界大戦従軍体験、中でも連合国側でも1963年までひた隠しにしていたドレスデン爆撃(本作によるとヴォネガットは死者数だけを取り上げて広島より被害が上だったという)による凄惨さと(実際には戦闘シーンはほとんど描かれていなく捕虜体験を中心としている)、SF的ギミックの「時間旅行」による時系列順でない記述、トラルファマドール星人による主人公のトラルファマドール星への誘拐、といった要素が闇鍋のようになっていて、読むのに…