Don Giovanni
スペインの色事師ドン・ファンを題材にしたモーツァルトの歌劇として有名な作品だが、ガッツァニーガが先にオペラにしたものをモーツァルトが再びオペラ化したもの。
Mozart: Don Giovanni (Festival d'Aix-en-Provence) [DVD] [Import]
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Mozart - Don Giovanni (1979 Joseph Losey Film)
Mozart: Don Giovanni
Gazzaniga: Don Giovanni / Bruno Weil
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ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』(7) 今回は、第2章 哲学のあらまし の続き(p.50~)である。 「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」という問いを巡り、思想家の見方は3つに分かれて現在に至っている、とホルトはいう。次の3つである。(緑字は、傍点の代わり) 楽観派…世界の存在には何らかの理由があるはずであり、それを見出せるだろう。 悲観派…世界が存在する理由はあるかもしれないが、確かなことは決してわかるまい。何故なら、恐らく私たちに見えるのは現実のごく一部でしかなく、その背後にある理由がわからないからか、現実に背後にある理由は、宇宙の本質を看破するためでなく、あくまで生き残るた…
イマイチ調子いくな~いもんで Mozart: Don Giovanni, Nos. 16 & 17 - Terfel, Gleadow, Schwartz; Honeck, VFO モーツァルトを聴いて気分転換した
この辺りで、モーツァルトの作品群の中でももっとも華やかなジャンル、オペラを取り上げたいと思います。 モーツァルトがはじめてオペラを作曲したのは1767年、わずか11歳のときのことです。 この作品は「アポロとヒアチントゥス(Apollo et Hyacinthus K.38)」で、ザルツブルクのベネディクト派大学の祝典用として書かれました。 K.38は、我々のイメージするオペラというより、音楽付きのラテン語喜劇といったものですが、それにしても、登場人物のキャラクターや感情・思想などをきちんと把握した上でなければ適切な作曲は絶対にできないことを考えると、11歳という年齢でそれを成し遂げたモーツァル…
概していえば、『ドン・ジョヴァンニ』 第32投。540ページ、1753行目。 On the whole though favouring preferably light opera of the Don Giovanni description and Martha, a gem in its line, he had a penchant, though with only a surface knowledge, for the severe classical school such as Mendelssohn. 概していえば、『ドン・ジョヴァンニ』の類の軽いオペラやその系列の珠玉で…
36年に満たない年月をこの世に送っただけで、その生涯を閉じてしまったヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。 しかし、その間に数多の人々と出会い、さまざまな交流を通じて、天与の才に一層の磨きがかけられました。 そんな人々の中で、最も大きな影響を受けた人物は、父親レオポルトといってよいでしょう。 ザルツブルクの宮廷音楽家であったレオポルトは、教育家としても極めて優れていました。 息子のヴォルフガングに、ラテン語をはじめとしてフランス語・イタリア語・英語といった言語や算数など、学校教育なしに基本的な教養を教えたのはレオポルトであり、何より、音楽教育もこの父親によって施されたのです。 また、ヴォル…
村上春樹と音楽 私はノンフィクションが好きなので、あまり現代小説は読まないのですが、村上春樹氏が昨年久しぶりに出した長編小説『騎士団長殺し』は、一目見てモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』がテーマと分かり、読んでみました。 村上作品をちゃんと読んだのは、浪人時代の『ノルウェイの森』以来でした。 当時は大変なブームで、どうしても読まないわけにはいかないくらいの雰囲気だったのです。 しかし、あまり内容には心を動かされず、予備校の現代文の先生を始め、酷評する人も多く、それ以後、氏の本を手に取ることはありませんでした。(先生は本にカバーをしない主義のため、車内で目立って仕方がない、ともこぼしていました…
、 モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』第1幕第16場(終景) カットされた、締めの六重唱 主人公ドン・ジョヴァンニは、この世のものとも思われない恐ろしい音楽で地獄に堕ちました。 ウィーン版ではそれでおしまい、ですが、プラハ版では、いきなりまた楽し気な音楽が始まり、他の登場人物全員がワラワラと駆け込んできます。 その音楽的落差に驚かない人はいないでしょう。でも、モーツァルトと台本作者ダ・ポンテが参考にした(悪く言えばパクった)、ガッツァニーガと台本作者ベルターティの『ドン・ジョヴァンニ』では、地獄落ちの音楽にそこまでの緊迫感はないので、自然な感じです。 モーツァルトの音楽があまりにも迫力がありす…
石像とドン・ジョヴァンニ モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』第1幕第15場 招かれし客、騎士長の石像あらわる 墓場で、自分が殺した騎士長の石像を見つけ、うちに飯を食いに来い、と、からかったドン・ジョヴァンニ。 招きに応じて、ついに石像が宴に現れます。 音楽は、序曲で予告されたニ短調の総奏。これまでのふざけた雰囲気は一変、オペラ史上最も緊張感に満ちた、壮絶な場面が始まります。 そして、のっし、のっしと、石像が歩み寄ってくる音楽には、背筋が寒くなります。レポレロのガタガタふるえるさまも、モーツァルトはリアルに表現しています。 しかしドン・ジョヴァンニは、まさか本当に来るとは…と驚きつつも、恐れるこ…
ドン・ジョヴァンニの舞台衣装 モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』第1幕第13場 BGMはライバルと自分の曲 このオペラも、いよいよ大詰めです。 ドン・ジョヴァンニは墓場で、自分が殺した騎士長の石像に出会い、戯れに晩餐に誘ったところ、『行く』と返事したため、自宅で盛大に食事の支度をします。 そしてまず一人で饗宴を始めるようレポレロに命じ、召使いたちは豪華な食事と酒を運び始めます。 時間としては墓地でのやりとりが夜の2時ですから、晩餐といっても夜明け前くらいになります。 饗宴の始まりは、浮きたつような音楽で、たったひとりの宴にはふさわしくありません。 ドン・ジョヴァンニは、楽士たちにBGMの演奏を…
『墓地の場』初期の舞台装置 モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』第1幕第11場 うなずき、しゃべる恐怖の石像 さて、みんなの大迷惑をよそに、ドン・ジョヴァンニは今夜もまた女遊びを続けていたようです。 時は深夜2時、場は墓場。たくさんの墓標や記念像が立っています。 ドン・ジョヴァンニは塀を乗り越えて墓地に入ってきて、あくまでも陽気です。 いい月夜だ!さっきのもいい女だったな!と。 そういえば、レポレロの奴はエルヴィーラとどうなったかな、あいつは経験不足だからな、などと独り言を言っていると、レポレロが歩いて来てそれを聞きつけ、『結局俺はどうなってもいいってことか』と傍白で悪態をつきます。 ドン・ジョ…
【スターシードの先達】モーツァルトを賞賛した人たちの言葉から、人生の意義を考える 【スターシードの先達】モーツァルトを賞賛した人たちの言葉から、人生の意義を考える ヨーゼフ・ハイドン(音楽家 オーストリア 1732~1809) レオポルト・モーツァルト(父 オーストリア 1719~1787) ゲーテ(詩人、作家、政治家 ドイツ 1750-1832) E.T.A. ホフマン(作家 ドイツ 1776~1822) ロッシーニ(作曲家 イタリア 1792~1868) 無名の同時代人(おそらく19世紀初頭 ドイツ?) カール・バルト(神学者 スイス 1886~1968) ショーペンハウエル(哲学者 ドイ…
歌う、鳴る鳴る 素朴な響き 幸福、予感、モーツァルト♫ www.youtube.com (youtubeをポチって音楽を聴きながら読んでみてくださいね。”iPhoneの場合は全面表示されてしまったら2本指で内側にむけてピンチインしてください。”) たんた、たたたた♫ 歌うよな… たんた、明るいモーツァルト♫ 今回は、ピアノソナタ第15(16)番 ハ長調の解説とおすすめ名盤を紹介です。 注:モーツァルト:ピアノソナタ「第15番」という表記は旧モーツァルト全集での番号になります。本記事では新モーツァルト全集としての「第16番」との表記は(16)と付記しています。 【ここをクリックすると名盤の解説へ…
ドン・ジュアン/モリエール (著)、鈴木 力衛 (訳) ドン・ジュアン (岩波文庫 赤 512-3) 作者:モリエール 岩波書店 Amazon 女たらしの不信心者が、さんざん悪いことをしたあげく、最後には神の怒りにふれて、雷に打たれて死ぬ……このドン・ジュアン伝説を下敷きにして、徹底した快楽の追求者、無神論者、偽善者としての新しい性格を盛り込んで作り上げられ、大当たりをとったモリエールの快作。 17世紀ブルボン朝時代の劇作家モリエールの戯曲。短いので今回『ドン・ジュアン』『人間ぎらい』の2作を読んでみた。 さてこの『ドン・ジュアン』、女たらしの代名詞である「ドン・ファン」を戯曲化したものとなる…
宇奈月オペラの参加募集が届いた。 今年の演目は「フィガロの結婚」。 11月13日(日)にサンパール荒川で行われる東京公演への募集である。 東京公演は、昨年から始まった。昨年は同じ会場で「ドン・ジョヴァンニ」を演奏した。 練習予定を見ると、浦安オケとバッティングする日曜日が多い。浦安では、この時期はブルックナーの3番他の未知の曲に取り組んでいるので、大変迷うところだが、やはりオペラの方を優先することにした。所属オケの欠席が増えてしまうがやむを得ない。 ところで、宇奈月温泉で行われる「湯の街ふれあい音楽祭 モーツァルト@宇奈月」でのオペラ公演はどうなのか。これは以前から気になっていた。 新型コロナ…
新国立劇場のバレエ『シンデレラ』の初日(4/30)、2日目(5/1)、千穐楽(5/5)を見て、自分がバレエに何を求めているのか再確認した。バレエ(ダンス)はいわゆる身体芸術だが、ミスをせず、ただうまく踊るだけでは芸術とはいえない。そこに身体を超える〝なにか〟が現出しなければならない。この10年間、米沢唯を見続けてきたのは、この奇跡的な時空間を共有したかったから。今回そのことに改めて気づかされた*1。「ダンスは、身体への注目と精神への注目が一つとなる、より高次の注目を命じている」(スーザン・ソンタグ「ダンサーとダンス」)。ソンタグに言われるまでもなく、ずっとそうしてきた。この「高次の注目」を米沢…
本日、京都府京田辺市にて、「ウクライナ支援チャリティーコンサートVol.2」に出演してきました。 演奏会は無事に終了、大変多くのお客様にご来場いただきまして、深く感謝申し上げます。 このコンサート、実は前回(3/27開催)にも出演した私。 今回も出演となりました。 サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」から『象』はコントラバス独奏の定番曲、 モーツァルトのドン・ジョヴァンニのセレナーデは、私なりに後半部分を変奏してみて、「コントラバスでもこんなことが出来るんだ」というのを知ってもらうという目論見。 そして、前回と同様にグリエール(フリイェール)の間奏曲(インテルメッツォ)を弾きました。 やっぱり…
明後日は子どもの日。 3連休の最後の日です。 今日なんか、どこへ行っても凄い渋滞。 出かけるだけで疲れてしまいませんか? そこで、私が出演する演奏会のインフォメーションを。 以前にも情報を出しました「ウクライナ支援チャリティーコンサートVol.2」です。 www.kyotanabe-musicians.org 無料で入場できますが、整理券が必要となります。 以下のサイトからお申し込みください。 passmarket.yahoo.co.jp このコンサート、前回(3/27)に引き続き出演します。 今回はオーボエ、ファゴット、サックス、そして声楽(ソプラノ)とお楽しみいただけます。 ちなみに、私の…
タ行 待機電力 大器晩成 ダイダラボッチ タイムパラドックス ダヴィンチコード タクシードライバー 竹取物語 たつのおとしご 旅は道連れ タルタルソース タロットカード 男尊女卑 地質調査 地対空ミサイル チベットスナギツネ ちゃぶ台返し チャンドラセガール限界 中華料理 駐車場 チュッパチャプス チュニジア共和国 沈黙の春 ツイステッドワンダーランド ツインリンクもてぎ 通勤ラッシュ 通勤列車 通信速度 通信販売 ツールドフランス 月見バーガー 対馬海流 つふらな瞳 つみたてNISA 釣りバカ日誌 吊り橋効果 鶴の恩返し ツンドラ気候 デアゴスティーニ テーブルマナー 適材適所 徹頭徹尾 デ…
【演目】ばらの騎士(Der Rosenkavalier) 全三幕〈ドイツ語上演/日本語&英語字幕付〉【予定時間】約4時間10分(第Ⅰ幕75分 休憩25分 第Ⅱ幕60分 休憩25分 第Ⅲ幕65分) 【鑑賞日時】2022.4.3.(日)14:00~ 【会場】NNTTオペラパレス【作曲】1909,1910間 リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss) 【初演】1911年1月26日 ドレスデン、宮廷歌劇場 【台本】フーゴー・フォン・ホーフマンスタール(ドイツ語) 【Introduction】主催者資料より<婚約のしるしは銀の薔薇>~煌めく音楽が綴る美しき恋と別れの物語~ウィーン上流社会…
八ヶ岳南麓は三寒四温の寒暖差が大きくて、なかなか「春が来た!!」とはなりません。。 ああ、待ち遠しい〜!! さて今日はコンサートのご案内をさせて下さい。 メジャーデビュー前からの幼なじみ的なオペラ歌手仲間が古民家を訪ねてくれることになったので、せっかくだからお互いまだ声がまともに出るうちにコンサートをやろうよ!!ということで、コンサートを企画しました。 友人の奥様がバイオリニストでビオラ奏者でもあるので、今回はブラームスの作品を共演します。 申し込み先はコンサート詳細の中に載せましたので、ご都合が合いましたら足をお運びいただけますよう、ご案内申し上げます。 この日は私の門下生の発表会を前半にや…
2月11日(金)、東京文化会館へ、東京二期会オペラ劇場の「フィガロの結婚」を聴きに行った。 前日、10日(木)は新潟へ出張。用務は当日済んだものの、関東地方は警報級の大雪になるとの予報だったため、新潟に宿泊し、帰京の新幹線を上野で下りて、文化会館へ行ったのだった。 新潟出張 https://naokichivla.hatenablog.com/entry/2022/02/12/195508 もともと、東京二期会では、この時期にR.シュトラウスの「影のない女」の公演を行う予定だった。めったにかからない演目でもあり、チケットを買い求めていたのだが、昨年12月下旬に、中止が発表された。新型コロナウイ…
外人歌手(アルフレッド、ジェルモン)実力発揮!ヴィオレッタも中盤からエンジンかかる! 表記のオペラは新国立劇場オペラ2022年シーズンラインアップの第3弾として上演されたもので、以下に、先ず主催者発表資料に即してその概要を記します。 ◎ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)作曲『椿姫(La Traviata)』全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉【公演期間】2022年3月10日~3月21日【上演時間】約2時間45分(第Ⅰ幕・第Ⅱ幕1場75分 休憩30分 第Ⅱ幕2場・第Ⅲ幕60分)【Introduction】(主催者発表資料)パリ社交界に咲いた真実の愛。屈指の…
カフカの長編には『審判』のほかに『城』と『失踪者』があるが、その中でも最も暗く、恐ろしい作品だ。カフカの作風に一貫したものは、「なんでこうなったのかわからない!」という理不尽さや因果関係のわからなさ、不気味さである。ある意味、いまの「AI」への不安に近い。AIは大量なデータから優れた結果をアウトプットするのだが、「なんでこうなったのかわからない!」という意味で、である。 『審判』に戻る。ショッキングなラストシーンもそうだが、ある日突然男たちから銀行員のヨーゼフKが「有罪」を宣告され、その根拠探しと有罪からの脱出の試みは延々と続き、重々しい。カフカ作品が「暗い」といわれるゆえんはここにある。 し…
図書館で借りてきて読んだ。 首をかしげたくなる所とか自慢もちょいちょいあったけど、歌謡曲で明菜ちゃんとか好きな人はおすすめ(彼女については記述ないけど)。 P88 純粋に音楽を聴いて、感動したといったら、嘘になるかもしれない。しかし、さまざまな雑念に彩られた音楽があっても一向にかまわないのじゃないか。 第一、あのころのぼくは、純粋に音楽を楽しむなんて余裕はなかった。雑念でいっぱいになって、はりさけそうな自分を音楽にぶつけることがすなわち、音楽を聴くことだった。もちろん、今も変わらないが……。 岡本太郎みを感じた。雑念まみれで音楽を聴くのよくあるよね。 P112〜P113 こういう光景を見ている…
ザ・ヴィルトゥオーゾD & F (八木大輔&秋川風雅) タワーレコード Amazon ART INFINI 慶應義塾高等学校在学中のピアニスト(2022年1月現在)、八木大輔と秋川風雅のジョイント企画CDです。数々の国際コンクールを怒涛の勢いで制覇しつつある二人の若き才能の「今」を刻印したデビュー・アルバムは、ショパン・エチュード、ベートーヴェン・ソナタ、リストと王道のレパートリーでその真価を世に問います。二人の連弾によるラフマニノフのイタリアン・ポルカ他聴きどころ満載のアルバムをお楽しみ下さい。 八木大輔(ピアノ) Daisuke Yagi, Piano慶應義塾高等学校 3年在学中 2003…