いわゆる青春がないことに、さみしかったり後悔したりは全くありません。比べる相手がいなかったから。自分を「不幸だ」と感じるのだとしたら、比べてるからじゃないのかな。上をみたらキリがないもんね。ひどい目に遭い続けて、心が死んでいって、諦めて、「それでも生きていかないと」となったら、逆に自分を不幸だとすら感じなくなるのかもしれない。 こういう経験がなければこの陰気で冴えねえ私小説家はいなかったわけですから、僕には糧にもなったわけです。中卒も、むしろ誇り。略歴には、受賞歴を削ってでも必ず書きます。こっちは中卒のくせして物書きで生計を立てている。ざまあみろ、というのが本音です。すべて「結果的には」ですが…