ケーキ屋に別れを告げ、夕陽を背に、橙に染まる町のメインロードを東へと進む。 道の脇に立つ建物の、古めかしい感じは変わっていないんだろうが、なんとなく、以前よりは整然とした印象を受けるのは「道」のせいだろうか。きっかりと「歩道」が分けられて歩きやすく、車道も新たに舗装されたように見える。 適当に、しばらく道沿いに歩いてゆくと、緩やかなカーブを曲がったその前方に、モワモワっと白く霞がかっているのが見えた。…煙?そして、ムォン、と何かを抱えた空気が顔面に押してくる。「匂い」…。 ――焼肉…。ケバブ屋か。 「ケバブ」。「アルメニア料理といえば何?」と彼らに問えば、たいていコレと答えが返ってくる。とはい…