初めてアレサ・フランクリンの歌声を聴いた時は衝撃的だった。 圧倒的な歌声で心を揺るがすという体験は、自分の心に大きく刻まれた。今でも「ソウルの女王」の称号は揺るがないと思う。 その感覚を言葉で表現するのはとても難しいが、単に歌唱力で感動させるだけではなく、歌声の奥深くに、彼女が体験してきた様々な過酷な思いも重なり、人間的な深みを感じる。 アレサが活動した時代は激動の時代である。 黒人差別や男女平等が大きく問題視される中、虐げられてきた人々への解放を願い、それを歌にも込めている。 黒人差別が横行している街でのコンサートでは、ステージ上では白人の聴衆が惜しみない拍手を与えているのに、ステージが終わ…