昨年のブックフェアで話をする機会があった、西崎憲さんの小説を読んだ。話と言っても、翻訳者が自ら本を売るという企画で西崎さんが編んだアンソロジーを買ったときにサインしてもらう間に、少しばかり会話を交わした程度なのだが。西崎さんの翻訳は読んだことがあるが、小説は初めてだ。「本の幽霊」という短編集。2022年にナナロク社から刊行されていて、全120ページに6編が収録されている。ほとんどが本がらみの話の、風変わりな作品集になっている。 本の幽霊 作者:西崎憲 ナナロク社 Amazon タイトルとなっている「本の幽霊」。主人公がイギリスから取り寄せた本は、時に現れ時に姿が見えなくなる本だった、という話。…