・旧制中学から新制高校 著者の中学時代のことは「第23章 旧制中学の日々」の冒頭、258頁2~10行め、 私が入った旧制の東京府立五中は大正八(一九一九)年四月開校、まさに大正デモクラ/シー&大正リベラリズムの申し子のような学校で、立志と開拓と創作の精神がモットー、/制服は濃紺の背広上下に黒いネクタイだった。 しかし、私たちの一学年前からその制服はみっともないカーキ色の国防服に変わり、ゲ/ートルまではかされた。それでいて三年生以上は従来のまま背広にネクタイだった。 私が入学したのは、太平洋戦争突入四ヵ月後の昭和一七(一九四二)四月。 それから三年後の敗戦直前に病を得て休学。 けっきょく昭和二四…