今、ニュースで「日産が国内2工場を閉鎖する」という報道が流れている。そのひとつに名を連ねたのが、神奈川県の「日産車体 湘南工場」──僕が2004年から働き始めた、まさに青春を捧げた場所だった。 2013年に九州工場に転籍となり、そこでも現場に立ち続け、2019年に会社を退職した。つまり、15年間、自動車生産の“ど真ん中”で生きてきた人間として、このニュースには言葉を失った。 真夏の溶接ラインで滝のような汗を流し、夜勤明けの朝日に癒やされながら、クタクタの身体で缶コーヒーを飲む──あの広大な敷地と、どこまでも続くラインの音、交代制の合間に交わす無言の会話。それらは、今も記憶の奥にこびりついている…