日本特産種のサルで青森県北部から屋久島まで分布する。
オナガザル科。頭胴長約60センチメートル。体は暗褐色の長い毛におおわれるが、顔と尻は裸出して赤色、尾は短い。頬(ほお)には食物を一時納める袋がある。植物を中心とした雑食性。二〇〜一五〇頭で群棲(ぐんせい)する。
多くのマカクと共通して母系の複雄複雌群で、家系と年齢を基にした直線的な順位序列がある。雄の場合第一位をアルファメイル(一位雄)と呼ぶが、その定義は菜食における優先度や闘争における優位さを基にしており、必ずしもボス=リーダー的な存在であるとは限らない。また、雄は5歳以上になると出生群を離れて別の群れに移住し、基本的に何年かごとに群れを変えるとされている。