河川の帰化動物。
本州の西部と四国の一部に生息する大きなネズミの仲間。頭と胴体を合わせた長さは70センチメートル前後、体重は7キログラムに達する。湿地を好み、日本列島では河川の土手や中州に細長い穴を掘ってすんでいる。ほとんど完全な草食性で、刈り取り前の水田の稲を倒したり、畑の作物をかじって農家に被害を与えることもある。飼育下では、リンゴやキャベツのしんが好き。
野生のヌートリアは、南アメリカのブラジルからアルゼンチンにかけての河川に分布している。それが、日本でも1930年頃から毛皮獣として飼育されるようになり、その一部が逃げ出して、現在のように西日本のあちこちの河川に住み着くようになった。
毛皮獣として輸入され始めた当初は軍服の毛皮用に大量の需要があり、盛んにもてはやされたのだが、第二次世界大戦後は毛皮の需要が減少し、やがて飼育家から見捨てられたという経歴を持つ。
特定外来生物に指定されており、飼育や運搬が規制されている。
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