第一話:父親猫が残したデコレーション 第三章 第三章 アイリンがお父さん猫のデコレーションパーツを見ながら考え込んでいると、 工場の入口から軽快な足音が聞こえてきた。 振り返ると、妹のユカリンがしっぽをフリながら仙台から帰ってきたところだった。 「ただいまニャン、アイリン姉ちゃん!」 ユカリンは元気いっぱいに挨拶した。 「ユカリン、おかえりニャン!」 アイリンは笑顔で迎えた。 ユカリンはお父さん猫が使っていた「フロントデッキ舟形仕様」を手に取り、興味深そうに眺めた。 「これ、懐かしいね。お父さんが大事にしてたものだよね。」 「そうだニャン。今日はこれをアイリン丸に取り付けようと思ってるニャン。…