遺伝子操作によって、1つ以上の遺伝子を欠損(無効化)させたマウス。 特定の遺伝子を無効化させ、正常のマウスとの行動や状態を比較することで、その遺伝子の機能を推定することができる。 1989年、マリオ・カペッキ、マーティン・エヴァンズ、オリヴァー・スミティーズらによって最初に作り出された。 この功績によって、彼らは2007年のノーベル生理学・医学賞を受賞している。
Cellから.p53自体には興味はそこまでないが,何かの研究のアイデアになるかもしれないと思って読んだ. p53: A tale of complexity and context https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(24)00246-0 p53の歴史が載っていた. 最初はoncogeneと思っていたが,RB1の発見からtumor suppressor geneではないかとなった.ノックアウトマウスはlymphomaが多発した. p53はsequence dependent transcription factorであり,DNA bind…
遅くなりましたが修士発表会の報告です。 まず、新井先生、立野先生のお二人。網膜において重要と予想される遺伝子のノックアウトマウス・フィッシュの表現型解析です。どちらもフェノタイプが見えており、ERGによる機能解析も行っていて、格調の高い発表でした。これらの研究は教室の佐藤准教授が主導して行っているものですが、ノックアウト作製の支援を取ってきたのは偉い。PIとしては大事なことです。あとはいかに早く、いかに美しく論文にまとまるかですね。期待しています。
細胞治療の世界市場規模は、2022年に84億米ドルと評価され、予測期間2024-2031年のCAGR 16.3%で成長し、2031年には271億米ドルに達すると予測される。 細胞治療市場の動向は、技術的進歩の高まりにより、製品の発売が増加していることを示している。細胞治療とは、ヒトの疾病を予防・治療するために、細胞を選択し、増殖させ、薬理学的に処理したものを投与することである。自己細胞や同種細胞を使用することが多く、遺伝子操作や製剤の変更が含まれることもある。 さらに、電気穿孔システムやその他の送達技術の利用可能性の高まりや市場における製品の増加、研究開発の増加により、細胞治療の用途への採用が…
コラーゲン(collagen) 血管壁の主要な細胞外物質。血管壁の強度を保つ構造タンパク質。人体のタンパク質の約25%を占める。 19種類にも上る分子種が報告されているが、血管壁には線維性コラーゲンであるタイプI、IIIとシート状構造のタイプIVが豊富に存在する。タイプIとIIIコラーゲンは、約100 kDaのポリペプチド鎖3本がへリックス構造をとりながら会合した直径約1.5nm、長さ約300nmのコラーゲン分子が長軸方向に会合し、ロープ状にねじれながら伸張し分子間架橋で補強された構造をしている(図)。コラーゲン分子のへリックス部分には(Gly-X-Y)nで示される規則正しい繰り返し構造が見ら…
生命とは,実は流れゆく分子の淀みにすぎない!?「生命とは何か」という生命科学最大の問いに,いま分子生物学はどう答えるのか.歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考を紹介しながら,現在形の生命観を探る.ページをめくる手が止まらない極上の科学ミステリー.分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし,目に映る景色がガラリと変わる――. 肺と心臓,脳機能の停止を徴候とする「三徴候死」の後でも,毛母細胞は2日ほど生きていて,髪や髭はわずかに伸びる.もっとも,皮膚の水分が蒸発し毛包から押し出されて長く伸びているように見えるということもある.生物の存在は,複雑な現象の上に成り立っている.時間を経る過程で変化する有…
三位 製薬も信者無くして儲け無し資本主義なら手加減無用 二位 ダマされたまたダマされたそれでなお御本尊だけイケてるつもり 一位 怒るべき時に怒りもしないなら神か仏かただのボンクラ これも同じことを何度も言うのだが、いつもニコニコ笑っているのは結構だが怒るべき時に怒りもしない。それは人格者というよりただの壊れた人間、イカレた人間である。この現実世界は天国でも極楽でもない。自然の世界、野生とは決して隔絶していない人間社会であって怒るべき時が訪れないということが無い。そういう世界である。そこを取り違えてしまえば、世界はさらに一段レベルが下降することはあっても素敵に次元を高めるということはないのである…
ノックアウトマウスモデル市場:世界の産業現状、競合分析、シェア、規模、動向2023-2029年の予測 2023年8月31日に、QYResearchは「グローバルノックアウトマウスモデルに関する市場レポート, 2023年-2029年の推移と予測、会社別、地域別、製品別、アプリケーション別の情報」の調査資料を発表しました。ノックアウトマウスモデルの市場規模、シェア、売上及び今後の動向を説明します。世界市場における主要メーカーの製品範囲、サービス、ソリューションを重点的に分析する。本レポートは、2018年から2029年までの会社別、地域(国)別、製品別及びアプリケーション別の売上げ実績と予測に焦点を…
Comprehensive review on Alzheimer’s disease: Causes and treatment.Breijyeh, Zeinab, and Rafik Karaman.Molecules 25.24 (2020): 5789. ADの勉強したくて読んでみました。でも、臨床の人にはおすすめできないです・・・。ちゃんと著者の専門分野見てから読むべきだった・・・。 1. 背景アルツハイマー病 (AD: Alzheimer's disease) は、最もありふれた認知症の一型であり、内側側頭葉と大脳新皮質へのアミロイドβペプチド (Aβ) の蓄積によって出現する、老…
メイドインアビス(2) (バンブーコミックス) 作者:つくしあきひと 竹書房 Amazon 7月5日の視聴 ・『NHKアカデミア「柳沢正史(前編) 睡眠は誤解だらけ」』→睡眠学者、柳沢正史。→これは研究により、今やデマとなった定説の解明、なのかな。→脊椎動物が睡眠取るのは分かる。昆虫や軟体動物も、なの?→「クラゲも眠る」という論文の衝撃。脳(中枢神経系)が無いのに“眠る”。すなわち、脳より先に睡眠を身に着けた、と?!→ノンレム睡眠って深さに三段階あるんだ。「ノンレム-レムのサイクル“平均”90分」がひとり歩きしてるので、90分寝て起きると良い、は誤解。サイクルには個人差あるんで。→レム睡眠の量…
ネット依存症から子どもを救う本法研Amazon 樋口先生の脳萎縮に関する記述 33ページに次のような記述がある。 ネット依存症が知能へ影響する? ネット依存症による脳への影響はまだ十分に研究されているとは言えませんが、 ネット依存症と推定される人の脳の一部が萎縮し、これにより社会性などの領域へ影響が出ているという研究報告 (Zhou Y et al. Eur J Radiology) やネット依存の期間が長くなればなるほど、脳神経細胞の死滅が進むという研究報告 (Yua K et al. PloS One, 2011) もあります。 ネット使用自体が脳へどう影響するのかはさらなる検証が必要です…
カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 先日、シュプリンガー・ネイチャーから定期配信される雑誌目次一覧を見ていたら、興味深い記事が目にとまりました。Nature Communications 掲載の論文で、特定の糖脂質を鼻から吸いこむことで、SARS-CoV-2、インフルエンザウイルス、RSウイルス(RSV)など、呼吸器疾患を起こす様々なウイルスによる感染を防ぐ効果があることを確認したというものです [1](下図)。 まだマウスなどの実験動物での評価段階ですが、自然免疫系であるナチュラル・キラー T (NKT)細胞を刺激する「7DW8-5」とよばれる糖脂質を吸引させるこ…
"「勤勉さ」は後天的に鍛えることができないと知って。" https://blog.tinect.jp/?p=82683 例えば「本を1か月に10冊読む」という課題をやらない人。 いつも時間ギリギリにしか行動せず、重要な会合に遅刻する人。 自社の「目標」の達成度合いを気にせず、お客さんの成果にも無関心な人。 ベタな『勤勉』は監視員がいなくてもシャベルで穴を掘るような心性をいい、勤務時間外に「本を1か月に10冊読む」というのはメタな『勤勉』かなあ。 同調圧力や顧客、上司の存在はベタな『勤勉』を駆動するが、メタな『勤勉』を駆動するのは結構困難でありだから「後天的に鍛えることができない」という記述にな…
(8)では、別の目的を持って行われていた実験で、予想していなかったことが起こったことを書きました。 実験に利用していたノックアウトマウスは(食細胞内で免疫系シグナル伝達の要となる〈Myb88〉と言われる分子をノックアウト)された個体だった。 この辺りが、読んでいて苛々するとおもわれるが、 そんなもんかと、軽く考えて下さい。 Myb88分子にシグナルが伝達されると、食細胞はサイトカインを出す。 偶然の大発見というのは〈Myb88分子〉に至る シグナル伝達経路の上流に、リポ多糖に反応してショック状態の引き金をひく受容体が存在することを(示唆)していたのだった。 ところが、示唆に沿って、当時までに知…
これまで8回書いてまいりましたが、第一回から通して読んで下さった方がおられるでしょうか。 私は、1回分を書くのに30分から40分をかけています。 お読みいただく時に、判らない熟語、単語などがあれば、どうか検索してお調べ下さるとご理解が進むと思います。 ✤ 免疫というのは人間だけが持っているものだろうか。 実は高等脊椎動物も免疫システムを持っております。 ですからマウスや兎などは、実験に良く使われ、医学の向上に役立っているのです。 患者の近くで働いている臨床医は、患者の延命に尽くしていますが、意外と免疫学には詳しくありません。 医学の向上に尽くしているのは臨床のお医者様ではなく、関係学問を日々研…