日時:昭和14年5月11日〜9月16日 場所:満州国北西部のハルハ河周辺地域
外蒙古(モンゴル)と満州国の国境紛争。 満州国の後援である日本軍(関東軍)とモンゴル軍・ソ連軍とが交戦した。
6月半ばまでを第一次、それ以降(大雑把に言ってジューコフ登場後)の第二次に分けられる。
日本陸軍の経験した最初の第二次世界大戦型の戦闘であり、兵站・戦略・統制などに劣る日本軍は大損害を受けた*1。
*1:ソ連軍も大きな損害を受けたことがわかっているが、ソ連軍(とジューコフ)はそういうものです
日本の歴史 (25) 太平洋戦争 (中公文庫) 作者:林 茂 中央公論新社 Amazon 太平洋戦争(十五年戦争)は、知れば知るほど何なんだろうなという思いが強くなる。 「戦争は自国も他国も含めて多くの人が犠牲になる、悲惨であり起こしてはいけないものだ」 そういう人道的な前提はおいておくにしても、起こった過程、どの段階の経過、どこの戦場の判断を見ても、指導部の人間たちが合理的な考え方を放棄しているように見える。 それぞれがそれぞれの思惑で好き勝手なことをする。その目算は多くの場合「こうなるだろう」という推測、ですらなく「こうなって欲しい」という希望的な観測に基づく。 だから当然目論見通りにいか…
戦争中にわずか3カ月で58機を撃墜した帝国陸軍航空隊無双のトップエースがいました。篠原弘道准尉です。(日ソ衝突:ノモンハン事件) 1939年(昭和14年)5月から9月にかけて、満洲国とモンゴル人民共和国の間の国境線を巡ってノモンハン事件が発生します。 (愛機は九七戦闘機) このとき、飛行第11戦隊第一中隊に篠原弘道准尉が所属していました。篠原は栃木県出身。1931年(昭和6年)に現役志願兵として陸軍に入隊し、2年後に航空兵に転科して所沢飛行学校に入校します。 篠原弘道准尉の愛機は九七式戦闘機です。九七戦闘機は旋回性に優れていました。下の写真を見てわかるように当時はまだ脚が固定式でした。 (初陣…
広島城をぐるりとお堀が囲んでいます。 城北の緑地地帯は、市民の憩いの場でもあり、通勤、通学の路でもあります。 そんな中、何ももの申さずと言いましょうか、頭の部分が割れた石碑があります。 誰も足を止めるでもなく、気が付いても通り過ぎてしまいそうな石碑です。 ・・・部隊跡記念樹とあります。 そして、裏に回りますと、 ノモンハン事件参加部隊 歩兵第七十一聯隊 野砲兵第十三聯隊 輜重兵第二十三聯隊 昭和五十二年五月二十二日建立 とあります。 ノモンハン事件と言いますと、 私は、太平洋戦争勃発前にソ連と日本軍の衝突で、とても厳しい戦いで多くの殉死者を出したくらいの知識しかないです。 この戦いに、 広島部…
ウクライナ国旗 ウクライナは、どうなるのだろう。 ________________________________ ________________________________ ドイツ戦車の、ポーランドへの供与、未だ。 【ベルリン時事】ドイツのピストリウス国防相は24日、ロシアの侵攻を受けたウクライナへの独製戦車「レオパルト2」の供与について「新しい状況にはない」と述べ、依然として慎重な姿勢を示した。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との会談後の共同記者会見で述べた。 ピストリウス氏は、ドイツ以外にも戦車供与に慎重な国はあると指摘。「プロセスに時間をかける必要がある」と…
著者:鎌倉英也発行元:論創社 隠された「戦争」 「ノモンハン事件」の裏側のまとめ 隠された「戦争」 「ノモンハン事件」の裏側を読んだ理由 隠された「戦争」 「ノモンハン事件」の裏側で仕事にいかせるポイント 隠された「戦争」 「ノモンハン事件」の裏側の目次 隠された「戦争」 「ノモンハン事件」の裏側の感想 隠された「戦争」 「ノモンハン事件」の裏側のまとめ ノモンハン事件。戦争でも、紛争でもなく事件。しかし、ソビエト側から見たら、戦争。なのでソビエト側からの名称はハルハ河戦争。日本にとって不都合なことは徹底的に隠して、戦争の道へと進んでいた。そんな昭和初期のお話。言葉遊びに終始して、精神論に終始…
今日の気になる書籍のご紹介 いま話題の書籍や古書などジャンルを問わず 良いなと思った書籍を幅広く 関連書を交えて紹介していきます。 本日の、ご紹介する書籍はこちら。 元陸軍中将遠藤三郎の肖像―「満洲事変」・上海事変・ノモンハン事件・重慶戦略爆撃 吉田 曠二【著】 すずさわ書店(2012/06発売) 元陸軍中将遠藤三郎の肖像―「満洲事変」・上海事変・ノモンハン事件・重慶戦略爆撃 | 吉田 曠二 |本 | 通販 | Amazonサイズ A5判/ページ数 503,/高さ 22cm 商品コード 9784795402805 あらすじ・内容説明 敗戦後の日本で非戦平和運動の闘士として知られる遠藤三郎(一八…
ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon テーマあるいは出発点 ”「綿谷ノボルは、(中略)テレビやメディアを通して、その拡大された力を広く社会に向けることが出来るようになった。そして彼は今その力を使って、不特定多数の人々が暗闇の中に無意識に隠しているものを、外に引き出そうとしている。それを政治家として自分のために利用しようとしている。(中略)彼の引きずりだすものは、暴力と血に宿命的にまみれている。そしてそれは歴史の奥にある一番深い暗闇までまっすぐ結びついている。それは多くの人々を結果的に損ない、失わせるものだ」”ー第3部P.459 著者の解…
かつて取材で知り合った東京のNさんがことし1月に亡くなったと、奥さんから喪中のはがきが届いた。間もなく11月。そろそろ年賀状を書く季節が近づいている。Nさんとは、中国まで一緒に旅をしたことがある。脳梗塞で倒れ、1年間は車いす生活を送り、奥さんに「幸せだった。ありがとう」を何度も繰り返して旅立ったという。Nさんについて書いた7年前の文章がある。やや長いが、「独立独歩の生き方」として書いた文を墓碑銘として以下に紹介したい。個性豊かで、自分の信じる道を真っ直ぐに歩いた人だった。 ⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄⬄ はじめに 株の取引で生計を立てる傍ら、太平洋戦争で亡くなっ…
【連続投稿882日目】 一度成功すると、その体験から抜け出せなくなってしまう。自分の見たいものしか見ようとせず、自分に都合の良い解釈しかしなくなる。「先日個人が優秀でも組織が優秀とは限らない」で投稿しました。 eitaroh7407.hatenablog.com 8月なので、太平洋戦争に関する本を読んでいます。「日本のいちばん長い日」「ノモンハンの夏」いずれも故半藤一利氏の本です。 1904年の日露戦争で辛勝した成功体験(少なくとも旧陸軍では成功体験)を1931年に始まる満州事変から、太平洋戦争終結まで40年以上引きずって判断を狂わせた事実。 エリートと言われる人は、人生の成功者でありその自負…
《ご存じのように、太平洋戦争では日本は見る影もなく撃ち破られるのです。昭和19年(1944)7月にサイパン島が陥落し、もはや太平洋戦争に勝利はないと確定した時、作戦課長であった服部卓四郎大佐はこう言ったといいます。 「サイパンの戦闘でわが陸軍の装備の悪いことがほんとうによくわかったが、今からとりかかってももう間に合わない」 何たることか、ノモンハンの時にすでにわかっていたではないか、と言いたくなるのですが、いずれにしろ日本陸軍はこれだけの多くの人をホロンバイルの草原で犠牲にしながら何も学びませんでした。 昭和史の流れのなかで、ノモンハン事件そのものは転換点的な、大きな何かがあるわけではないので…