酒井健著『ゴシックとは何か 大聖堂の精神史』読了。 ゴシックといえばカテドラル、カテドラルといえばノートルダムだが、「我々の婦人」Notre Dame すなわち聖母マリアが崇敬されるようになったのは、このゴシックの時代だったそうだ。ローマ教会の宣べ伝える一神教の神はあまりにも抽象的で威圧的で、庶民には馴染めず、キリスト教以前からヨーロッパにあった地母神の代わりとして聖母マリアが持ち出されてきたのだという。 パリのノートルダムを拠点に12世紀に花開いたノートルダム楽派の聖歌は譜面上は定旋律とそれを修飾する旋律しかないのだが、実際はここに多くの管・弦・打楽器の加わった壮麗なものだったという。聖と俗…