The Nobel Prize in Literature 日本人では川端康成(1968年)、大江健三郎(1994年)が受賞した。
三島由紀夫、安部公房なども候補に挙がったことがある、 世界でもっとも権威のある文学賞。
夫の友人がアメリカから出張で来ていて、この時期、レストランはどこも混んでいるので、週末に夫の実家で集まることにし、おさんどんとして参加した。 聞けば3回目の来日で、金融系の仕事ということもあり、寿司・刺し身・天ぷらなどはご馳走になっているから、普通の和食が食べたいとのこと。事前にメールで確認し、おでん、豚汁、炊き込みご飯など、至って日常的なものを用意した。 ケンタッキー出身で、テネシーとワシントンDCの大学で学んだ彼は、かなりの親日家で、箸も器用に操り、出したものを全部美味しいと食べてくれた。 何より驚いたのが、時間があった日中に、早稲田大学の国際文学館、通称村上春樹ライブラリーを訪れたのだそ…
人生に後退は無い。あなたの人生で起こること全てが、あなたをゴールへと進ませている。(ボブ・ディラン) 一条真也です。言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、ボブ・ディラン(1941年~)の言葉です。彼は、アメリカのミュージシャン、シンガーソングライター、詩人。グラミー賞やアカデミー賞をはじめ数々を受賞し、ロックの殿堂入りも果たしました。2016年には、ノーベル文学賞を受賞。大きな話題となりました。 ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞は、歌詞が文学として評価された初めてのケースです。彼の代表作「風に吹かれて」に描かれた人生観に、世界は称賛を贈ったわけです。この曲で問われているのは…
ビラヴド (ハヤカワepi文庫) 作者:トニ モリスン 早川書房 Amazon アフリカ系女性で初めてノーベル文学賞を受賞したト二・モリスンが、実際の事件を基に奴隷制度の傷痕について描いた話。 奴隷としての過去を持ち、現在は自由の身になったセサは、娘のデンヴァーと二人で暮らしている。 母娘は平穏に暮らしていたが、家で起こる怪奇現象に悩まされていた。 そこにかつて、セサが奴隷として過ごしていたスイートホームで同じ奴隷の立場だった、ポールDがやって来る。 ポールDは屋敷から幽霊を追い払い、セサと愛し合うようになったが……。 序盤、セサの過去やなぜ幽霊に悩まされるようになったのか、なぜ幽霊に悩まされ…
今日、ママンが死んだ 異邦人 (新潮文庫 カー2-1 新潮文庫) [ カミュ ]価格: 605 円楽天で詳細を見る ※ネタバレはあらすじ程度です。 あらすじ 作者紹介 魅力紹介 長くない文量 ”分からない”が面白い 苦しみが分かる……かも まとめ あらすじ 主人公ムルソーは母が死んだ事を知りました。 ただ悲しみに暮れるとか、涙を流すという事はありません。 彼にとっては”今”しかないし、人はいつか死ぬものだから。 第1部では友人レエモンともめた異邦人、アラビアの青年を殺害してしまうムルソー。 第2部では裁判を受けるが、ムルソーは周囲に理解されない。 まるでムルソーが異邦人になったかのよう。 殺害…
ヨン・フォッセ(Jon Fosse)というノルウェーの劇作家が2023年のノーベル文学賞を受賞した。 日本では知名度がないかもしれないが、ヨン・フォッセはノルウェーを代表する劇作家で、グローバルに大きな関心を集めている。ヨン・フォッセは、イプセンに続き最も頻繁に上演されるノルウェー人劇作家である。ミニマリズムを特徴とする演劇で国際的に高く評価されている。 「イプセンの再来」や「21世紀のベケット」と呼ばれ、2023年のノーベル文学賞を受賞した。 この記事では、ヨーロッパ現代演劇を代表するヨン・フォッセの日本語で読める小説を紹介したいと思う。 ヨン・フォッセ (Jon Fosse)ってどんな作家…
村上春樹氏、恒例(?)のノーベル賞ならず 「村上さんのところ」で書かれた騒がれることへの心境 村上春樹氏が紹介する服部良一「青い山脈」 「銀座カンカン娘」のほうがジャズっぽくないですか? 村上春樹氏、恒例(?)のノーベル賞ならず ぼやぼやしているうちに、村上春樹氏が今年もノーベル文学賞を逃したというニュースが発表されてからすでに1週間以上経ってしまったみたいだ。 私自身はなぜか、もともとネガティブ思考のせいか、「どうせ今年もあかんやろ」と思っていたので別段驚きでも残念でもなかった。 だってノーベル文学賞のありがたみがイマイチわからないし。 しかし氏がノーベル文学賞の候補にあがる、ということは何…
そういえば、そろそろノーベル文学賞の季節なのでは?と思い、なんとなくネットをチェックしてみたところ、ブックメーカーのオッズは今年も村上春樹がトップ人気ということらしい。 ずいぶん以前から最有力視されつつ選に洩れ続けていたので、そろそろ見放されているのかと思ったら、相変わらず予想値は高いままのようだ。 思えば村上春樹は、ずいぶん以前からノーベル文学賞最有力候補と噂されてきた。 しかし、選考経過は半世紀公開されないことになっているので、そもそもホントに最有力なのかどうなのかもわからない。 とはいえ、もしも噂どおり毎年、検討候補に挙がり続けているのだとしたら、よほど抵抗している人でもいるのだろうか。…
残雪 (Can Xue)という作家を知っているだろうか? 中国を代表する現代作家で、非常に独創的な作風が特徴だ。その独創的な作風から、カフカやピンチョンと並び称される作家である。 日本では知名度は低いかも知れないが、現代中国文学を代表する残雪を紹介したいと思う。 残雪(Can Xue)ってどんな作家? 残雪の作品を紹介する 黄泥街 蒼老たる浮雲 カッコウが鳴くあの一瞬 突囲表演 最後の恋人 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 残雪(Can Xue)ってどんな作家? 残雪(Can Xue)は中国を代表する現代作家だ。 名前の読み方…
ヨン・フォッセ(Jon Fosse)という劇作家を知っているだろうか? ノルウェーを代表する劇作家で、グローバルに大きな関心を集めている。ヨン・フォッセは、イプセンに続き最も頻繁に上演されるノルウェー人劇作家である。ミニマリズムを特徴とする演劇で国際的に高く評価されている。 「イプセンの再来」や「21世紀のベケット」と呼ばれ、2023年のノーベル文学賞を受賞した。 日本では知名度はないと思うが、ヨーロッパ現代演劇を代表するヨン・フォッセを紹介したいと思う。 ヨン・フォッセ (Jon Fosse)ってどんな作家? 2023年ノーベル文学賞を受賞 ヨン・フォッセの作品を紹介する だれか、来る (S…
もうそろそろ「村上春樹、今年こそノーベル賞受賞なるか?」というニュースを見かける季節になると思うので、一足先にブックメーカーを参照して今年のノーベル文学賞を予想したいと思う。 「村上春樹、今年こそノーベル賞受賞なるか?」というのはもはや秋の風物詩だ。 街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 特に今年は、村上春樹が新作長編『街とその不確かな壁』を出版するなど、活動的な一年だった(まだ今年は終わっていないが)。また、ヨーロッパで最も権威がある賞の1つと言われている、スペインのアストゥリアス王女賞の文学賞を受賞するという快挙を達成している。 もうこれは、今年もマスメディアで「村上春…
このところお天気が曇りや雨がちで、サクラの花が長続きしています… しかし、そろそろ散り始め… 柴犬館長とサクラと記念撮影を… ご近所のしだれ桜も美しい… 青空でないのが残念です… 柴犬館長も散りゆく桜の花びらをめでています… 出勤時は、博物館前もこんな感じで、サクラの花びらが敷き詰められていました… 生き物の動きも活発化し、いろいろなモノが館に届きます… 車との事故でおなくりになったテン… 何があったのか… 納屋にあったという鳥の巣… ご時勢を反映してか、ビニールやナイロンの糸、不織布など、 人工的な材料が多く使われています… 🐕「鳥たちは、あんまり気にしないみたい…」 楽に手に入るものを選ん…
【ノーベル文学賞受賞の言葉】2024/4/22 午後22:00 日本 人は自ら創る者だ。客観の目「汝」が主観の目「我」を観るその目が生きる意味を尋ねるという行為で、客観の目「汝」が主観の目「我」を超えて行為に意味を与えるという仕事が愛であり、生きるという意味だ。客観の目「汝」が主観の目「我」を観る行為を人は忘れてはならない。客観の目「汝」を忘却した者は既に生きる意味を喪失してしまっている。人はこの世界で罪を償える、何度でもやり直しがきくのである。それは客観の目「汝」が自己を見詰めているという愛の行為だからだ。それが自分の人生を慈しむということだからである。自分を傷つけるという行為は他者を傷つけ…
早生まれには優秀な人が多い!不利と言われがちだけど優秀になる理由 こんにちは。 妊活中、子どもの生まれ月について悩むことはありませんか? 「早生まれの場合、約1年早く生まれている子と同学年になるため不利なのではないか…。」など。 しかし早生まれで優秀な人はたくさんいます。 今回は、そんな早生まれと成績について解説します。 早生まれは不利なのか 早生まれが不利だと言われる原因 実は早生まれは優秀になりやすい 早いうちに周りから刺激をもらえる 社会性が身に付くのが早い 早生まれの成功者 企業の創業者・経営者 ノーベル賞受賞者 スポーツ選手(元選手含む) 1月生まれのスポーツ選手 2月生まれのスポー…
はじめに・思い出 大江健三郎氏の初期の作品。表題作の「飼育」にて芥川賞を受賞。 本作も再読するのはかれこれ30年ぶりくらい。大江健三郎氏といえば私が大学に入った1994年にノーベル文学賞を受賞した方。 名前は知っていたものの読んだこともなく、同賞受賞がきっかけで私も読んだものです。当時仲の良かった先輩は「当初はとんがっていたのに、障害のある子どもが生まれた途端ヒヨった文章になった」と評していたのが今も脳裏に焼き付いています。 印象 芥川賞受賞の表題作「飼育」を含む初期の短編をまとめたもの。 ほかにもノーベル賞も受賞。受賞理由はからっきし意味不明ですが、NHKの方の解説を読むと、どうやら現代日本…
アメリカ黒人文学を代表する著者がノーベル文学賞受賞直前の1992年に刊行した作品は、黒人音楽に源を持つジャズのリズムで表現されているとのこと。「これを翻訳で表現するのは不可能に近い」のでしょうが、物語の流れが音楽的であることは理解できます。まるで楽器を変えるように視点人物が入れ替わりながら、「家族間の惨劇」という主旋律が少しずつ形を変えながら再現されていくのです。そしてその先には、見事に調和のとれたエンディングが待ち受けているのです。 まずは導入部。1920年代の冬のある日、50代の男性ジョーが、若い愛人だったドーカスを射殺するという事件が発生。黒人間で起きた事件には無関心の警察はジョーを放置…
ものすごく失礼なことを覚悟で言うけど、ボブ・ディランの曲はボブ・ディランが歌うことで、台無しにしているのじゃないかと…。 うわっ、ひどい発言。 フォロワーがたくさんいたら炎上してるわ。 閲覧数が希薄なブログでよかったわ。 ディランの声と歌い方が私は苦手で、アルバムは一枚も持っていない。 でもたまたま誰かがカバーしたのを耳にすると、歌詞とメロディは素晴らしくてものすごく響くのね。 きっとみんな、自分の方が上手く歌えるって思っているんじゃないかしら。 だからディランのカバーバージョンはたくさんあるんだね。 その中でも私が推す5曲をあげてみる。 まずはブラジルのフォークシンガー、カエターノ・ヴェロー…
多才な作家の生涯と遺産 Wikipediaより 皆さん、こんにちは! 今回は三島由紀夫に関する雑学をご紹介します! 彼は日本文学界で多才な活躍をした作家であり、その作品と生涯は多くの人々に影響を与えています。 この記事では、彼の多才さ、作品、思想、そして生涯について詳しく探ります。 多才な作家 三島由紀夫は小説家、劇作家、評論家、エッセイストとして広く活躍しました。 彼の作品は美しい文体と哲学的なテーマが特徴で、文学的な技術と内容の深さが高く評価されています。 彼は文学を通じて、現代日本社会や伝統文化の矛盾を探求し、独自の美学と哲学を表現しました。 多様な作品 三島の代表的な小説には「金閣寺」…
このまえ、家に帰ってテレビをつけたら「本屋大賞」が発表されたってニュースをやってました。で、そこまで興味なかったんですけど、いちおうWebサイトの方もチェックしてみたんです。そしたら、ここんところ本屋に入ってすぐ目の前の棚とかでよく見かける本があって、つまりそういうのが選ばれたっぽいです。あれらは書店員さんが勧めてる本やったんやな。 www.hontai.or.jpところがですね、上のサイトで紹介されている本の一冊とて、私は読んでないし、手に取る予定すらないのです。縁がナッシング。ていうかここんところ私が買ったり借りたりして読んでいる本の作者ってほぼほぼ故人。とっくに死んでる人です。いま生きて…
18日(木)昨日、マリーズ・コンデ(グアドループ出身、1934.2.11~2024.4.2)の追悼式の模様をYou Tubeでみた。エマニエル・マクロン大統領がフランス国立図書館での追悼式でコンデの活躍を褒め称えた。私はマクロン大統領のフランス語のスピーチが好きでよく聞いている。一語一語の発音が聞き取りやすいのと、ある種のリズムが感じられるからだ。マリーズ・コンデは、2018年度のノーベル文学賞受賞がなかった時に、特別賞を受賞した。マリーズ・コンデはフランスの植民地グアデループで生まれて、育った。のちにはフランスで大学教育を受けたが、植民地と宗主国との関係を深く考えて、自伝的、あるいは歴史的な…
読書日記 2024年4月3-9日 ・スティーヴン・キング(深町眞理子訳)『シャイニング』上下 ・SFマガジン 2022年12月号 『カート・ヴォネガット生誕100周年記念特集』 ・セバスチャン・フィツェック(酒寄進一訳)『乗客ナンバー23の消失』 ・花川戸菖蒲『愚直スタイリッシュ』 ・SFマガジン 2022年4月号 『BLとSF』 ・ロバート・A・ハインライン(福島正実訳)『夏への扉』 ・SFマガジン 2024年4月号 『BLとSF2』 ・カズオ・イシグロ(土屋政雄訳)『日の名残り』 以下コメント・ネタバレあり
クイズに挑戦!有名人が知力バトル クイズに挑戦!有名人が知力バトル 13問目:この1年間を通して失敗した経験はどんなことですか?
旧友を酒に誘い、夕方から早めに家を出ました。会社を離れて田舎に引っ込むと、街中に行く機会があまりありません。約束の時間まで、久しぶりに駅前の大型書店とBook・offをはしごして、荷物にならないよう1冊だけ買い、<スタバ読書>で時間を潰そうという魂胆でした。 川端康成の「山の音」を選んだのは、未読だったから。加えて、騒がしい店で飲む前に、川端の静かに張りつめた文章を読むのは、なんとなく合っているようにも思えました。 魅力を伝えようとして、どうにも伝えることが難しい作家がいます。わたしにとって川端康成はそんな一人です。以前、このブログで「雪国」について書きましたが、あのときも書き手の感触として消…
Until AUGUSTGABRIEL FARCIA MARQUEZExclusive EditionTranslated by Anne McLeanPENGUIN BOOKS (2024) G・ガルシア=マルケスが晩年に認知症を患いながら描いていた作品。今年、新たに英語版、日本語版が出版された。ニュースを聞いて、即座に予約購入。 本人はボツにするつもりだった。でも、家族が、秘書が、原稿を残していた。何度も校正されていたらしく、そのバージョンの写真も掲載されている。 また、なぜマルケスの死後10年たって、なぜこの本を出版するにいたったかの話がRodrigoとGonzalo、二人の息子によって…
木曜日、東京富士美で始まったばかりの『ロバート・キャパ 戦争を超えて』を観てきた。ロバート・キャパは著名な報道カメラマンである。自分も若い時に『ちょっとピンボケ』を読んだことがあるので、一応名前は知っている。ハンガリー人でパリを中心に活躍、ヘミングウェイなどとも親交があった。報道カメラマンという存在を高めたスター・カメラマンでもある。スペイン内戦の時に撮られた「崩れ落ちる兵士たち」ヤノルマンディー上陸作戦で撮られたまさに「ちょっとピンボケ」の1枚などは世界的に有名だ。 そのキャパのプリントを多数所蔵しているのは、国内では東京富士美と横浜美術館の二館。何年かに一度こうしたロバート・キャパ展が開か…
映画『パスト ライブス 再会』を鑑賞しての備忘録2023年製作のアメリカ・韓国合作映画。106分。監督・脚本は、セリーヌ・ソン(Celine Song)。撮影は、シャビアー・カークナー(Shabier Kirchner)。美術は、グレイス・ユン(Grace Yun)。衣装は、カティナ・ダナバシス(Katina Danabassis)。編集は、キース・フラース(Keith Fraase)。音楽は、クリストファー・ベアー(Christopher Bear)とダニエル・ロッセン(Daniel Rossen)。原題は、"Past Lives"。 ニューヨーク。バーのカウンターに1人の女性(Greta …