土と昆虫とノーム啓蟄は、冬のあいだ地中に潜んでいた虫たちが春の雷に驚いて地上に出てくる頃とされている。地の中の生命力が、上昇運動を開始し、天からの光に対して、地が「はい」と答える瞬間だ。土の中の虫の役割を考えてみた。代表的なのはミミズだ。彼らは土を耕し、有機物を分解し、空気と水の通り道を作る。植物が育つための栄養のある土壌をつくってくれる見えない労働者だ。地上の生命は、地下の無数の生命の働きに支えられている。虫は地中で光を求めず、暗所でだまって働き、目立たない。これは人間の内面にある無意識層に対応する。人は考える前に心の中で既に何かが動いている。啓蟄とは、その何かが動き出すことと同じと考えられ…