ケインズかハイエクか: 資本主義を動かした世紀の対決 (新潮文庫)作者:ワプショット,ニコラス新潮社Amazon 政治学などの社会科学の理論は客観的に、価値中立的に構成されるのではない。そこには観測者の階級などの社会的属性や、宗教などの価値判断が色濃く投影されている。社会学者のカール・マンハイムはこのように、社会科学の認識の存在拘束性を指摘したが、経済学も例外ではない。本書『ケインズか ハイエクか』は、経済学者の人柄と経済学の理論がいかに結び付いていたかを示す事例に満ちている。 ケインズはハンサムではなく、彼自身も自分を魅力的だとは思っていなかったが、堂々たる体躯で存在感があった。身長は198…