予告していた通り、金田一少年シリーズ30周年最新作の批評をやっていきますよー! (以下、事件のネタバレあり。今回は根本尚『怪奇探偵・写楽炎』シリーズの「蛇人間」についても言及するので未読の方は該当の項目を読み飛ばすことをお勧めします) 「八咫烏村殺人事件」 シリーズ30周年記念として新たに発表された「八咫烏村殺人事件」は今年の1月から7月末にかけて全14回の構成で連載された長編作。長編としては48作目(小説版も含めると56作目)にあたる今回の事件は熊野古道で有名な和歌山県、それも近い内にダムの底に沈む村(もちろん架空の村)を舞台としている。 ダムの底に沈む村というと泡坂妻夫『湖底のまつり』を思…