深い秋が訪れた!(春を含んで) 湖は陽にかがやいて光つてゐる 鳥はひろいひろい空を飛びながら 色どりのきれいな山の腹を峡の方に行く 葡萄も無花果も豊かに熟れた もう穀物の収穫ははじまつてゐる 雲がひとつふたつながれて行くのは 草の上に眺めながら寝そべつてゐよう 私は ひとりに とりのこされた! 私の眼はもう凋落を見るにはあまりに明るい しかしその眼は時の祝祭に耐へないちひささ! このままで 暖かな冬がめぐらう 風が木の葉を播き散らす日にも・・・・私は信じる 暖かな音楽にかなふ和やかだけで と 立原道造 「忘れてしまって」 詩集『萱草に寄す』より いつも 私のブログをご清覧くださり ありがとうご…