駅からの帰り道、僕はハンカチおとしに遭遇した。 駅の裏道、塾やドラッグストアに挟まれて、小さなマンションが建っている。そこは裏道になっていて、道幅が細く、車は通れない。灰色のタイル張りの外観と、前時代的なネーミングが彫られた看板を掲げたマンションが、その裏道に影を落としている。 その影の中で、小学校4,5年生くらいの女の子が7人、円形に座っていた。みんな、どことなく服装が似ている。フリルのついたTシャツや、英字の書かれたタンクトップ、白いスカートや華奢なジーンズ。どの子の服も、ピンクかターコイズかホワイトの組み合わせだった。みんなビビッドな色合いで、灰色のマンションから浮いて見える。 背格好も…