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バイオエタノール

(サイエンス)
ばいおえたのーる

 バイオマス(例えば、トウモロコシやサトウキビ)から製造されるエタノールのことをいう。
エタノールはバイオマスから創ることから枯渇しない「再生可能資源」として期待される。
アメリカやブラジルでは補助金政策のもと、自動車燃料として使用されている。日本では北海道、山形、大阪、岡山、沖縄などで社会実験が行われている。
ブラジルでは、1リットルあたり30円で製造されている。アメリカでは農業政策の一環として膨大な補助金が注入されている。岡山の社会実験では(政府からの各種補助金や交付金で)1リットルあたり製造コストが150円である。有償で引き取る廃棄物扱いの木材を原料とすることで、大阪の社会実験ではガソリンに比較してもコスト競争力があるエタノールが供給できるとされている。米などの植物からバイオマスアルコールを製造することも机上検討されているが、キロあたり20円が想定引取り価格である。(食料米は各種政府補助金制度があり、引き取り価格はキロあたり800円から3000円である)
ちなみにエタノールについては、これから世界的な需要が喚起されることが予想されるので、シカゴの商品取引所が2005年に上場をしている。しかしながら、化石燃料由来のエタノールとバイオエタノールを産地呼称を区別して取引を行なうかなど、問題点は多い。
バイオエタノールを燃やして発生する二酸化炭素は、カーボンニュートラルだという理由で、京都議定書の規制対象外で、石油など化石燃料から切り替えた分だけ温室効果ガス削減になる。
ジェットエンジンには凍結の問題があり不向き。
大豆トウモロコシサトウキビなどの食料用作物を利用すると、需要増加による価格高騰で飢餓に苦しむ人がまだいる世界の状況で本来の食料政策に悪影響が出ることが懸念されている。本格的な普及の際に必要な原料生産量が世界の経済システムの中で確保できないといった問題もあるとされている。

■危険性について■
米スタンフォード大学のMark Z. Jacobson助教授は、バイオエタノール燃料を使用する自動車が環境に及ぼす影響などを調査した最新レポート「Effects of Ethanol(E85) versus Gasoline Vehicles on Cancer and Mortality in the United States」の発表を行った。
調査結果によれば、もしも米国内の全自動車を、ガソリン燃料からバイオエタノール燃料「E85」(エタノール85%/ガソリン15%の混合)に切り替えた場合、排出ガス中の二酸化炭素量は大きく削減されるほか、大気中のベンゼンおよびブタジエンは減少。しかしながら、他の発癌性物質のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドが、大気中に増加してしまうことが判明したとされる。また、地域によってはオゾン濃度が高くなり、光化学スモッグなどの環境問題が、ガソリン燃料の使用時よりも悪化してしまう危険性が指摘された。

その結果として、2020年には、ガソリン燃料車を完全にバイオエタノール燃料車に切り替えた場合、オゾン濃度が高まることで悪化する喘息などの疾患による死亡率が、全米で約4%増となり、光化学スモッグ問題が深刻なロサンゼルスでは死亡率が約9%増になるとの分析が出されている。

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