バイオメトリクスとは「生物個体が持つ特性」により個人を識別する技術。用いられる特徴や特性は、大別して、身体的特徴と行動的特徴がある。身体的特徴には、指紋、顔、静脈、網膜、DNA、耳介などがあり、一方、行動的特徴には、声紋、署名、最近では、歩行などがある。
バイオメトリクス技術を正確に表現するとバイオメトリクス・マシンビジョン技術 (Biometrics Machine Vision Techniques) となる。
バイオメトリクス・マシンビジョン技術は、古くから研究が行われている。
計算機アルゴリズムとしては、1980年台初期の犯罪捜査がはじめ。
これはミニコンベースのシステム。
デジタル画像処理技術が一般的になったのもこの時期であり、バイオメトリクスの第1期に相当する。
第2期に相当するのは1985年ころ。
ワークステーションが市場に現れ、システム構築コストが第1期に比ベ1桁から2桁低減した。
このため、重要施設関連 (例えば原子力発電施設) などの入退室管理システムとして利用されるようになった。
第3期に相当するのは、ネットワークなどの発達によりテレホンバンキングやインターネットショッピングに代表される非対面商取引のニーズが具体的になった1995年以降。
システムはネットワークに接続されたパソコンやICカードで構築され、装置コストはさらに安くなっている。