「もしトラ」や「いまトラ」という現象に、世界は息を呑んで行方を見守っている。最大の問題はトランプ候補の予測不能性であって、世界秩序や常識の崩壊すら思わせる。そんな候補がなぜ強いのかと考えると、結局現職バイデン大統領が弱いからだということに行きつく。 民主党というより自分の支持層の種々の意見に配慮するあまり、激動する国際・国内事情に対処することが中途半端である。例えばイスラエルのネタニヤフ政権の強硬姿勢には、当初は米国のユダヤロビーに配慮して擁護したのはいいとして、ガザへの地上侵攻以降(*1)はもっと抑制的になるべきだった。 今月になって、ようやくネタニヤフ首相と決別方向だが、国際的な支持を失っ…