「おばあちゃん。だいじょうぶだよ。」 「いいの?いいのに。」 「たまたま小銭あるから。」 「ご馳走しようと思ったのに。ごめんね。」 「いいの。だいじょうぶ。」 「ほんとうに?いいの?悪いわ。」 「いいよ。いいよ。」 喫茶店のレジで私の前にいたふたり。 「かばんちゃんとしめた?」 「うん。しめた。」 「お財布いれた?忘れてない?」 「うん。だいじょうぶだよ。」 そう会話しながら出ていった。 私は自分の会計をすぐに済ませた。 外に出るとまだふたりはいた。 「ありがとう。ごちそうしてもらって。 そんなつもりじゃなかったのに。」 「わかってるよ。いいよ。」 「ありがとう。ありがとう。」 私は少し見つめ…