「歴史上、永遠に続いた覇権は一つもありません。」 17世紀、世界の海を支配したオランダ。オランダ東インド会社(VOC)を中心に構築されたその海洋帝国は、まさに無敵に見えました。しかし18世紀に入ると、その覇権は静かに、しかし確実にイギリスへと移っていきます。この覇権交代は単なる軍事力の優劣ではありませんでした。金融・産業・外交・制度という複合的な要因が絡み合った、歴史上最も重要な権力移行の一つです。その過程を丁寧に見ていきましょう。 17世紀オランダの黄金時代 まず17世紀のオランダがいかに圧倒的な存在だったかを確認しておきましょう。「オランダの黄金時代」と呼ばれる17世紀、オランダは人口わず…