バッド・ベティカー『決闘コマンチ砦』を見直す。ダグラス・サークのインタビューに出てきた、マーティン・リットにはない新しさ、古びなさとは。インタビューでは『八ド』の名前をあげていたが(そこには「いとしのクレメンタイン」を映画館で歌う、何らかの終わりを印象付けるシーンはたしかにある)、たとえば『ノーマ・レイ』なら見る側を導こうという、勇気を与えようという意志はある。それでも『決闘コマンチ砦』を改めて見直すと、こちらには映画が今、ここで起きる出来事を見るしかないという方へ向かわせる。しかし『ノーマ・レイ』でもあった運動もまた、古びてしまったと感じさせるなら、そこには『発見の年』(ルイス・ロペス・カラ…