我々の住む世界とは別の世界にある都市とその都市に住む人々を描いた漫画『闇の国々(Les Cites Obsecures)』を読みました。ブノワ・ペータース=作、フランソワ・スクイテン=画のバンド・デシネ(フランス語圏の漫画)に該当する作品です。緻密な描写で1コマの密度が高く、読み応えがあります。 本作は3つの作品から構成されています。どの作品もある種の世界(物体)が基盤にあり、その世界(物体)に翻弄されるような内容が面白かったです。例えば、「狂騒のユルビガント」では巨大化していく網状組織とともに暮らしていく人々の生活が描かれています。「塔」は巨大な塔を探索する話です。「傾いた女」は女性が傾いた…