飢饉や戦争が身近で、いまほど肥料や品種改良、物流網も充分ではなかった時代。 ヨーロッパの村落はイザという場合に備えて食糧を蓄えておりました。 しばしばそのような食糧は、軍隊にとって現地調達の対象にもなったのでございます。 今日はそんな時代の御話。 ただし対象の時代は中世から近世、近代とあまりに長く、またヨーロッパと申しても広うございます。 主語を大きくすると火種の元、あっという間に火事ボーボー。 あくまでナポレオン戦争中の、一村落の事例としておきたいと思います。 まず、当時のフランス大陸軍が下士官卒にどれくらいの食糧供給量を定めていたのか。 一名当たり一日約1kg弱。 内訳は、パン1.5ポンド…