さて、 今回も前回の記事に引き続き 本書第二章「「戦後詩」という課題」 を読んでいく。 戦後日本の思想史にも 巨大な足跡を残した詩人・評論家である 吉本隆明(よしもとたかあき)── 本書では吉本氏の『日時計篇』 という詩篇の冒頭部が 取り上げられる。 吉本氏は戦後、 さまざまな分野での評論活動を行い、 時に激しい論争もしたようであるが、 それがどんなものであったのか、 どのような空気感で行われていたのか、 当時を生きていない僕は知らない。 ただ、僕は大学生の時、 吉本氏の『共同幻想論』を読んで、 そのあまりの難解さにひいひいしながらも その超人的な思考に 魅せられたものだった。