映画「パトリシア・ハイスミスに恋して」(原題:Loving Highsmith、2022)はアメリカの人気作家パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。パトリシア・ハイスミスといえば「太陽がいっぱい」の原作者。その名が知られるようになったのはヒッチコック監督の「見知らぬ乗客」。近年では、ケイト・ブランシェット主演の「キャロル」がある。こうした名作映画の原作小説で知られるパトリシア・ハイスミスは、欧米ではアガサ・クリスティと並ぶ人気を誇る女性作家だ。 中でも偽名で発表した自伝的小説「キャロル」は、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説となった。 偽…