チリの首都サンティアゴの地下鉄運賃が30ペソ値上げされたのを機に群衆が暴動を起こした2019年から、左派のガブリエル・ボリッチが大統領選挙で勝利を収めた2021年までの約3年の間に撮り溜め編集された記録映像は圧倒的なまでにエネルギッシュの連続だった。自然発生的に起こったチリの抑圧されてきた民衆の社会変革運動の様相は、地上撮影からドローンによる空撮まで、様々な角度から臨場感あふれる生々しさを交差的に捉えている。そのようなルポルタージュ的映像や記録映像の合間合間に、パトリシオ・グスマン監督は、デモに参加した学生や知識人など様々な人々にインタビューした固定ショットの画面を挿入している。カメラの前で語…