目を開けても あの背中が見える 目を閉じても 低く呼ぶ声が聞こえてくる ぽっかりと開いた和室の向こうには パパちゃんの笑顔 ~葬儀の後~ 精進揚げも終わり、気づけば夜だった。 「あんたも頑張ったね。疲れたろ。ゆっくりお休み」 姉たちも気遣ってくれ、パパちゃんへお線香をあげてからそれぞれの家に帰っていった。 ひとまずお風呂に入り、その日は早くにみんな2階へ。 私は一人和室で、ぽつんと残っている介護ベッドに腰かけた。 「せっかく取り寄せたのに、2日間しか寝れなかったね」 『おぉ。もう少し使ってみたかったな』 「昨日からずっとバタバタだったから、くたびれたろ」 『うん。俺はなんもしとらんのだけどな』…