《パヴィア十二月十六日①》 12月14日にミラノを発ったスタンダールは、パヴィアに着き、その道筋に関して、次の様に述べています。 “ミラノからここまで、横断する土地はヨーロッパでもっとも豊かだ。たえず流水の運河が見られ、これが土地に肥沃さをもたらしている。船の通れる運河に沿って行くが、運河を通って船でミラノからヴェネツィア、或いはアメリカにまでも行くことが出来る。しかししばしば、真昼間に泥棒に呼び止められる。オーストリアの専制政治は泥棒を撲滅する手立てを知らない。村ごとに一人の憲兵(を置くこと)で充分なのだ。異常な出費(金遣い)を見つけたら、ただちにこう尋ねればよい。何処でその金を稼いだか。”…