②宗演師らの説いた近代仏教としての大乗仏教を科学との統一が可能と考えたケーラス ここでは「近代グローバル仏教への日本の貢献 ── 世界宗教会議再考」(ジュディス・M・スノドグラス/堀 雅彦 訳)を基に、日本人代表団が説いた近代仏教を、ケーラスがどのように捉えたかについて述べて行きます。 「すべての事物は心の本質から生まれてくる」。「それゆえ、宇宙の万物は心そのものである」。「万物は心に他ならない」「われわれの知る世界は、心の本質において作用している因果法則の帰結である」。 ケーラスの心を捉えたのは、こうした日本仏教界代表たちが語った心の顕現としての世界という概念と、涅槃の積極的解釈であったと言…