A History of Violence
2005年|アメリカ、カナダ|カラー|98分|画面比:1.85:1|映倫:R-15|MPAA: R*1
田舎町でダイナーを営むトムは、愛する家族と平和に暮らしていた。だがある晩、ダイナーに押し入ってきた拳銃強盗の2人組を瞬時に返り討ちし、殺害してしまう。ヒーローと祭り上げられたトムの元に、黒ずくめで片目の男が訪れる。「やぁジョーイ、久し振りだな。この目はお前にやられたんだ。有刺鉄線を使うとはな」、と。トムは別人だと言うが、真実は。
コンパクトな上映時間内に、暴力がもたらす精神的・肉体的影響を克明に、しかし冷めた視線で淡々と描くのはクローネンバーグらしい。思索に富んだ映画ではあるが、娯楽映画としても通用するところが、1980年代までのクローネンバーグらしさが戻ったと言えようか。
ヴィゴ・モーテンセン以下の役者も好演だが、特筆すべきはマリア・ベロで、感情の起伏に富んだ役をリアリティを持って演じていて素晴らしい。役者として大きく化けた。
原題は「暴力の過去」という意味。「He has a history of violence」(彼には暴力沙汰の過去がある)などという言い回しがあるそうだ。
*1:Rated R for strong brutal violence, graphic sexuality, nudity, language and some drug use.