「エンターテインメントを第一義の目的とした広義のミステリー」を募集対象とした文学賞「このミステリーがすごい!」大賞の受賞作。例年の受賞作と比較して刊行前から大きく注目され、地方の書店でも大きく展開されている理由は文学賞への信頼もあるでしょうが、著者の経歴にもよるのでしょう。著者・小西ヤステルはラジオ「ナインティナインのオールナイトニッポン」の放送作家をしていること。そのため、帯には「応募前の原稿を一気読み!“最初の読者”にして“戦友”」として、岡村隆史が推薦コメントを寄せています(一気読みしたかどうかは作品の質に関係ないと思いますが)。 本書を簡潔に紹介するには、巻末に掲載されている選評を引用…