筒井康隆による小説作品。挿絵はいとうのいぢ。
ライトノベルというジャンルを意識して執筆されたが、過激な性的表現が多く含まれている。
講談社の小説雑誌『ファウスト』のVol.7(2008年)とVol.8(2011年)に掲載。2012年8月に、残りを書き下ろした形で星海社から単行本が2012年8月17日に刊行。
ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)
ビアンカ・オーバースタディ (角川文庫)作者:筒井 康隆KADOKAWAAmazonAmazonでの評価は高いようだけど、私にとっては正直怪奇小説でしかなかった。 この作品をSF小説と捉える教養は、私にはなかった。 終盤で未来人が、こんな未来になった原因についてちょろっと語っていたけど、性描写と巨大カマキリと巨大カエルの印象が強すぎて霞んだ。 まあ、科学と資本主義経済が車の両輪である、という例えは上手いと思ったが。でも霞んだ。というか、女が男のブツを慰めるシーンがあるならあらすじで予告しておいてほしかった。 表紙は完全にライトノベルなのに、うっかり中高生が手に取って性描写に触れてしまったらどう…
ヒプノシスマイクARBというゲームがあり、ヒプノシスマイク大好き者として毎日楽しくプレイしているのですが、先日衝撃的な出来事がありました。 あっと思った方もいるんじゃないでしょうか。 「九十九」に「中禅寺」…これはおそらく元ネタが「九十九十九」と「中禅寺秋彦」。共通点はどちらも雑誌『メフィスト』から生まれた文学賞である「メフィスト賞」を受賞した作品に登場する登場人物の名前なのです。 もしかすると山田兄弟の名前の由来って舞城王太郎なのではという話 - pyonkospicaの日記 当時、あまりの驚きでこちらの記事を書いたんですが、つまりヒプマイってかなりがっつり『メフィスト』系なのかもしれないの…
時間の王 作者:宝樹 早川書房 Amazon 結構前に読み終えてたんですが、やっと書くことがまとまってきたので感想書きます。 中国の作家宝樹の短編集。書籍として作品が邦訳されるのは今回が初です。いくつか短編がアンソロジーやSFマガジンに掲載されていましたが、今回はほぼ初訳の作品ばかりになっています。 宝樹というと三体の二次創作が商業的に出版されたことで有名ですが(今年邦訳が出るはず)、国内に類例があったっけと思ったら『ビアンカ・オーバーステップ』の例がありましたね。他にもあるかも。『ビアンカ・オーバースタディ』のアニメ化の話はどうなったんだろ。 本書収録の短編はほぼすべて時間ものです。既訳があ…
作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが9日にお亡くなりになったとの訃報を聞いた。 ニュースで99歳だったと聞き、えっ、そんなお年だったのかと思った。だって、テレビや雑誌でお姿を拝見すると、いつも若々しくて、精力に溢れている感じだったもの。お肌がつやつやしていて、表情が豊かで、怒っているときでさえチャーミングな雰囲気をまとっている方だった。 瀬戸内寂聴さんの書籍というと、『源氏物語』関連の本や、良寛さんを題材とした『手毬』などを読んだ記憶がある。性愛をテーマとした作品が多いというイメージを持っている。露骨じゃないけど生々しい、女のドロッとした部分を描く作家さんという印象。 で、そうか、寂聴さん亡くなられた…